ホクト レジデント。 日本の日揮と北斗 リハビリステーションの共同出資会社がウラジオ自由港のレジデントへ

南相馬の医療崩壊 求められる改革

ホクト レジデント

(医療ガバナンス研究所 理事長) 「上昌広と福島県浜通り便り」 【まとめ】 ・ 多くの病院の経営が悪化しており、精神科を除く一般病院の利益率はマイナス 4. ・ いわき市内の「 」、その中核の常磐病院が急成長している。 ・ 南相馬市の医療が崩壊の瀬戸際に。 経営状態悪い市立総合病院は「救急医療」に特化すべき。 【注:この記事には複数の写真が含まれています。 サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。 その場合はでお読み下さい。 】 五十嵐北斗君という若者が、私が主宰する「 医療ガバナンス研究所」でインターンを始めた。 笑顔が素敵な好青年だ(写真1)。 五十嵐君は中央大学商学部の4年生。 今春、卒業予定だ。 実は、彼には大学生とは別の顔がある。 「 trimy」というベンチャー企業の社長だ。 医学生向けの初期臨床研修向けのマッチングサイト「」を運営している。 ベンチャーキャピタルから資金を調達して立ち上げたらしい。 私のところに来たのは、サイトの作り込みについて相談するのが目的だ。 (写真1)筆者(右)と五十嵐北斗君(左)。 医療ガバナンス研究所にて。 🄫上昌広 彼は 研修医のマッチングについて随分と調べていた。 名門病院はほぼ知っていたし、研修医が抱える問題も熟知していた。 商学部の学生のレベルを超えていた。 私は彼の経歴を聞いて納得した。 世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた華岡青洲の縁戚だという。 1966年に有吉佐和子が発表した『 華岡青洲の妻』で描かれた一族だ。 親族は北海道で病院を経営している。 五十嵐君は医者に囲まれて育ち、病院経営を肌感覚で知っているようだ。 写真)華岡青洲 出典) では、彼にどのようにアドバイスしたのだろうか?私は「 君のサイトで病院の経営状態を紹介したらどうだろう」と勧めた。 幸い、大学病院をはじめ、多くの大病院が 財務諸表を公開している。 大学生が就職活動をする際、もっとも注目するのは企業の経営状態だろう。 慢性的な赤字で、改善の目途がたたない企業に就職するのは、よほど奇特な学生だけだ。 ところが、医学生の間で、このことは議論されない。 我が国では 診療報酬は、厚労省が全国一律に決めている。 社会保障費を抑制するため、診療報酬が据え置かれ、 多くの病院の経営が悪化している。 厚労省が発表した2016年度の「」では、精神科を除く 一般病院の利益率はマイナス 4. 前年度より0. 5ポイント悪化していた。 特に深刻なのは、 物価が高い都市の総合病院だ。 少子化が進み、不採算となる小児科や産科を抱え、「選択と集中」することが出来ない。 日本医大、東京女子医大、聖路加国際病院、亀田総合病院などが赤字経営であることは有名だ(参考:、) 最近、三井記念病院が債務超過に陥っていることも明らかとなった(参考: 2018年1月号))。 高い医療レベルを維持するには、投資が欠かせない。 赤字病院には余裕はない。 このような病院は、医学生は避けるべきだ。 ところが、現実は正反対だ。 昨年のマッチングでも 聖路加国際病院や 亀田総合病院が上位に入った。 中間発表では、それぞれ定員24人、28人に対して、59人、48人が応募した。 投資余力のない病院に大勢の若手医師が集まっている。 一般企業ではあり得ないことだ。 この状況は都心の名門病院に限った話ではない。 地方では、別の形で若手医師が不適切な病院に配置されている。 東日本大震災以降、私は福島県浜通りの医療支援を続けている。 震災からもうすぐ7年となるが、健全な形で病院を維持していくには、つくづく「経営」が重要だと痛感する。 現在、浜通りの医療機関で急成長しているのは、いわき市内の「」だ。 その中核が 常磐病院(一般床150、療養床90)である。 泌尿器科・人工透析を中核としたグループで、1982年に常盤峻士医師がいわき市内に「」を開設したのがきっかけだ。 その後、成長を続け、2010年4月にはいわき市立常磐病院を譲り受けた。 現在、グループ全体で2つの病院、一つの有床診療所、5つのクリニック、さらに介護施設、訪問看護ステーション、幼稚園なども経営している。 筆者が知り合ったのは、東日本大震災の時の透析患者の搬送をお手伝いしたことがきっかけだ。 これ以降の躍進は目覚ましい。 震災前8名だった常勤医は、この4月には25名になる。 うち内科医は9名だ。 このグループの特徴は、経営が安定し、しっかりと投資していることだ。 それが、医師集めに貢献している。 震災後、即座に 内部被曝検査(ホールボディーカウンター)を導入した。 ロボット手術であるダヴィンチシステム、PET-CTがん検診、さらに加藤茂明・元東大分子生物学研究所を雇用し、基礎研究室まで立ち上げた。 2017年度は32本の英文論文・レターが英文医学誌に掲載された。 これはやる気のある医師や看護師にとって、大きなアピールになる。 写真)ホールボディーカウンター 出典) 昨年は前徳島県立中央病院長の永井雅巳医師が赴任した。 この4月には日本の血液界を代表するような教授が、大学を辞してときわ会に移籍する。 ほか数名の二十代、三十代の医師がやってくる。 彼らは「ときわ会なら、新しいプロジェクトにチャレンジできる」という。 人口34万5209人(2018年1月1日現在)のいわき市で、医師は不足している。 人口10万人あたりの医師数は199人で、長崎県の五島列島より少なく、対馬と同レベルだ。 世界的にはリビアやメキシコと同水準だ。 成長の余地が残されている地域に、優秀な経営陣がいるのだから、全国からやる気のある医師が集まるのもむべなるかなだ。 対照的なのが、 南相馬市立総合病院だ。 同院が位置する相双地区の人口10万人あたりの医師数は110人。 全国平均の半分以下で、世界的にはアルバニアやチリと同レベルだ。 この地域の医療が崩壊の瀬戸際にある。 問題は内科だ。 家庭の都合などで、常勤医師の退職が続いた。 今春から常勤の内科医は1名となる。 昨年4月、同院の院長に就任した 及川友好医師は医師確保に努めるが、問題は容易に解決しそうにない。 その理由は、南相馬市立総合病院の経営状態が悪いからだ。 写真)南相馬市立総合病院 出典) 2016年度の決算では、医業収益は約34億1744万円なのに、医業費用は42億5471万円もかかっている。 補助金・交付金収入は4億7454万円だ。 自治体病院の平均は71%だ。 2017年に完成した脳卒中センターなどの固定投資(総事業費58億円)が大きくのしかかっている。 この状況で、さらに人工透析を始める(8床)。 1月21日の市長選挙で敗退した桜井勝延市長の肝煎りの政策という。 これは、おそらく病院のためにも、患者のためにもならない。 人工透析クリニックの経営者は「この規模で始めても、黒字にはならないし、医師や看護師は確保できない。 医療事故のリスクがある」という。 南相馬市立総合病院がやるべきは、病院が持続可能なように、 診療科を見直すことだ。 その際、地域から何を求められているか、具体的に考えるべきだ。 私は市民病院しかできないことは、「 救急医療」だと思う。 この中には一般外科、脳外科、整形外科、循環器内科、小児科などが含まれる。 幸い、一般外科は3人、脳外科は6人、整形外科は2人、循環器内科は2人、小児科医は1人の常勤医がいる。 さらに、この病院は初期臨床研修指定病院で、最大8名の初期研修医がいる。 私は「救急医療」に特化し、その他の診療科を削減するしかないと思う。 内科は、初期研修医と彼らの教育に熱心な指導医を中心に体制を整備し、足りなければ、6名もいる脳外科医にサポートして貰えばいいだろう。 周辺の病院と競合する人工透析や、開業医と競合する診療科は撤退すべきだ。 さらに、専門技量を身につけたい若手内科医を強制的に配置して、内科医不足の数合わせをすべきではない。 彼らの成長を損ね、数年後には我が身に返ってくる。 嫌気がさして、他の地域にでていくかもしれない。 南相馬市の医療の発展を願うなら、いまこそ彼らに投資して、専門的な技量を身につけて貰うべきだ。 この判断ができるか否かは、及川友好院長と門馬和夫・新市長にかかっている。 写真)及川友好院長 出典) 写真)門馬和夫・新市長 出典) 病院経営者の中には、自らの失敗を棚に上げ、他者に負担を押しつける人が少なくない。 厚労省の審議会の委員の中には「若手医師に地方での勤務を義務化すべきだ」と主張する者までいる。 犠牲になるのは、いつも若手医師だ。 「医師を派遣して欲しい」と言われ、ダメ病院に派遣される。 やるべきは、若手医師の派遣ではなく、駄目なリーダーを退場させることだ。 南相馬市は市長が交代した。 今こそ、過去の問題を総括すべきだ。 残念ながら、これが難しい。 我が国の病院は情報開示に消極的で、現状が市民に伝わらないからだ。 市民の支持がなければ、働かない医師や事務員などの「抵抗勢力」の利権に切り込むことは出来ない。 この点で、冒頭にご紹介した五十嵐さんの取組に期待したい。 初期臨床拠点病院だけでなく。 広く一般病院も調査してもらいたい。 相双地区は、今後も人口が減少する。 縮小する町で如何に医療提供体制を維持するか、難しい問題だ。 今回、ご紹介したのは、私がみた被災地の医療の現状だ。 患者と現場の医師以外の様々な思惑が交叉し、患者と現場が犠牲になっていることがお分かりいただけただろう。 私は、被災地と付き合い続けたいと思っている。 どうすべきか思案している。 写真)常盤病院 出典).

次の

広尾病院

ホクト レジデント

(医療ガバナンス研究所 理事長) 「上昌広と福島県浜通り便り」 【まとめ】 ・ 多くの病院の経営が悪化しており、精神科を除く一般病院の利益率はマイナス 4. ・ いわき市内の「 」、その中核の常磐病院が急成長している。 ・ 南相馬市の医療が崩壊の瀬戸際に。 経営状態悪い市立総合病院は「救急医療」に特化すべき。 【注:この記事には複数の写真が含まれています。 サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。 その場合はでお読み下さい。 】 五十嵐北斗君という若者が、私が主宰する「 医療ガバナンス研究所」でインターンを始めた。 笑顔が素敵な好青年だ(写真1)。 五十嵐君は中央大学商学部の4年生。 今春、卒業予定だ。 実は、彼には大学生とは別の顔がある。 「 trimy」というベンチャー企業の社長だ。 医学生向けの初期臨床研修向けのマッチングサイト「」を運営している。 ベンチャーキャピタルから資金を調達して立ち上げたらしい。 私のところに来たのは、サイトの作り込みについて相談するのが目的だ。 (写真1)筆者(右)と五十嵐北斗君(左)。 医療ガバナンス研究所にて。 🄫上昌広 彼は 研修医のマッチングについて随分と調べていた。 名門病院はほぼ知っていたし、研修医が抱える問題も熟知していた。 商学部の学生のレベルを超えていた。 私は彼の経歴を聞いて納得した。 世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた華岡青洲の縁戚だという。 1966年に有吉佐和子が発表した『 華岡青洲の妻』で描かれた一族だ。 親族は北海道で病院を経営している。 五十嵐君は医者に囲まれて育ち、病院経営を肌感覚で知っているようだ。 写真)華岡青洲 出典) では、彼にどのようにアドバイスしたのだろうか?私は「 君のサイトで病院の経営状態を紹介したらどうだろう」と勧めた。 幸い、大学病院をはじめ、多くの大病院が 財務諸表を公開している。 大学生が就職活動をする際、もっとも注目するのは企業の経営状態だろう。 慢性的な赤字で、改善の目途がたたない企業に就職するのは、よほど奇特な学生だけだ。 ところが、医学生の間で、このことは議論されない。 我が国では 診療報酬は、厚労省が全国一律に決めている。 社会保障費を抑制するため、診療報酬が据え置かれ、 多くの病院の経営が悪化している。 厚労省が発表した2016年度の「」では、精神科を除く 一般病院の利益率はマイナス 4. 前年度より0. 5ポイント悪化していた。 特に深刻なのは、 物価が高い都市の総合病院だ。 少子化が進み、不採算となる小児科や産科を抱え、「選択と集中」することが出来ない。 日本医大、東京女子医大、聖路加国際病院、亀田総合病院などが赤字経営であることは有名だ(参考:、) 最近、三井記念病院が債務超過に陥っていることも明らかとなった(参考: 2018年1月号))。 高い医療レベルを維持するには、投資が欠かせない。 赤字病院には余裕はない。 このような病院は、医学生は避けるべきだ。 ところが、現実は正反対だ。 昨年のマッチングでも 聖路加国際病院や 亀田総合病院が上位に入った。 中間発表では、それぞれ定員24人、28人に対して、59人、48人が応募した。 投資余力のない病院に大勢の若手医師が集まっている。 一般企業ではあり得ないことだ。 この状況は都心の名門病院に限った話ではない。 地方では、別の形で若手医師が不適切な病院に配置されている。 東日本大震災以降、私は福島県浜通りの医療支援を続けている。 震災からもうすぐ7年となるが、健全な形で病院を維持していくには、つくづく「経営」が重要だと痛感する。 現在、浜通りの医療機関で急成長しているのは、いわき市内の「」だ。 その中核が 常磐病院(一般床150、療養床90)である。 泌尿器科・人工透析を中核としたグループで、1982年に常盤峻士医師がいわき市内に「」を開設したのがきっかけだ。 その後、成長を続け、2010年4月にはいわき市立常磐病院を譲り受けた。 現在、グループ全体で2つの病院、一つの有床診療所、5つのクリニック、さらに介護施設、訪問看護ステーション、幼稚園なども経営している。 筆者が知り合ったのは、東日本大震災の時の透析患者の搬送をお手伝いしたことがきっかけだ。 これ以降の躍進は目覚ましい。 震災前8名だった常勤医は、この4月には25名になる。 うち内科医は9名だ。 このグループの特徴は、経営が安定し、しっかりと投資していることだ。 それが、医師集めに貢献している。 震災後、即座に 内部被曝検査(ホールボディーカウンター)を導入した。 ロボット手術であるダヴィンチシステム、PET-CTがん検診、さらに加藤茂明・元東大分子生物学研究所を雇用し、基礎研究室まで立ち上げた。 2017年度は32本の英文論文・レターが英文医学誌に掲載された。 これはやる気のある医師や看護師にとって、大きなアピールになる。 写真)ホールボディーカウンター 出典) 昨年は前徳島県立中央病院長の永井雅巳医師が赴任した。 この4月には日本の血液界を代表するような教授が、大学を辞してときわ会に移籍する。 ほか数名の二十代、三十代の医師がやってくる。 彼らは「ときわ会なら、新しいプロジェクトにチャレンジできる」という。 人口34万5209人(2018年1月1日現在)のいわき市で、医師は不足している。 人口10万人あたりの医師数は199人で、長崎県の五島列島より少なく、対馬と同レベルだ。 世界的にはリビアやメキシコと同水準だ。 成長の余地が残されている地域に、優秀な経営陣がいるのだから、全国からやる気のある医師が集まるのもむべなるかなだ。 対照的なのが、 南相馬市立総合病院だ。 同院が位置する相双地区の人口10万人あたりの医師数は110人。 全国平均の半分以下で、世界的にはアルバニアやチリと同レベルだ。 この地域の医療が崩壊の瀬戸際にある。 問題は内科だ。 家庭の都合などで、常勤医師の退職が続いた。 今春から常勤の内科医は1名となる。 昨年4月、同院の院長に就任した 及川友好医師は医師確保に努めるが、問題は容易に解決しそうにない。 その理由は、南相馬市立総合病院の経営状態が悪いからだ。 写真)南相馬市立総合病院 出典) 2016年度の決算では、医業収益は約34億1744万円なのに、医業費用は42億5471万円もかかっている。 補助金・交付金収入は4億7454万円だ。 自治体病院の平均は71%だ。 2017年に完成した脳卒中センターなどの固定投資(総事業費58億円)が大きくのしかかっている。 この状況で、さらに人工透析を始める(8床)。 1月21日の市長選挙で敗退した桜井勝延市長の肝煎りの政策という。 これは、おそらく病院のためにも、患者のためにもならない。 人工透析クリニックの経営者は「この規模で始めても、黒字にはならないし、医師や看護師は確保できない。 医療事故のリスクがある」という。 南相馬市立総合病院がやるべきは、病院が持続可能なように、 診療科を見直すことだ。 その際、地域から何を求められているか、具体的に考えるべきだ。 私は市民病院しかできないことは、「 救急医療」だと思う。 この中には一般外科、脳外科、整形外科、循環器内科、小児科などが含まれる。 幸い、一般外科は3人、脳外科は6人、整形外科は2人、循環器内科は2人、小児科医は1人の常勤医がいる。 さらに、この病院は初期臨床研修指定病院で、最大8名の初期研修医がいる。 私は「救急医療」に特化し、その他の診療科を削減するしかないと思う。 内科は、初期研修医と彼らの教育に熱心な指導医を中心に体制を整備し、足りなければ、6名もいる脳外科医にサポートして貰えばいいだろう。 周辺の病院と競合する人工透析や、開業医と競合する診療科は撤退すべきだ。 さらに、専門技量を身につけたい若手内科医を強制的に配置して、内科医不足の数合わせをすべきではない。 彼らの成長を損ね、数年後には我が身に返ってくる。 嫌気がさして、他の地域にでていくかもしれない。 南相馬市の医療の発展を願うなら、いまこそ彼らに投資して、専門的な技量を身につけて貰うべきだ。 この判断ができるか否かは、及川友好院長と門馬和夫・新市長にかかっている。 写真)及川友好院長 出典) 写真)門馬和夫・新市長 出典) 病院経営者の中には、自らの失敗を棚に上げ、他者に負担を押しつける人が少なくない。 厚労省の審議会の委員の中には「若手医師に地方での勤務を義務化すべきだ」と主張する者までいる。 犠牲になるのは、いつも若手医師だ。 「医師を派遣して欲しい」と言われ、ダメ病院に派遣される。 やるべきは、若手医師の派遣ではなく、駄目なリーダーを退場させることだ。 南相馬市は市長が交代した。 今こそ、過去の問題を総括すべきだ。 残念ながら、これが難しい。 我が国の病院は情報開示に消極的で、現状が市民に伝わらないからだ。 市民の支持がなければ、働かない医師や事務員などの「抵抗勢力」の利権に切り込むことは出来ない。 この点で、冒頭にご紹介した五十嵐さんの取組に期待したい。 初期臨床拠点病院だけでなく。 広く一般病院も調査してもらいたい。 相双地区は、今後も人口が減少する。 縮小する町で如何に医療提供体制を維持するか、難しい問題だ。 今回、ご紹介したのは、私がみた被災地の医療の現状だ。 患者と現場の医師以外の様々な思惑が交叉し、患者と現場が犠牲になっていることがお分かりいただけただろう。 私は、被災地と付き合い続けたいと思っている。 どうすべきか思案している。 写真)常盤病院 出典).

次の

日本の日揮と北斗 リハビリステーションの共同出資会社がウラジオ自由港のレジデントへ

ホクト レジデント

病院長の挨拶 臨床研修の場としての九州病院 医学部学生の皆さん、医師としての将来を真剣に考える時がやってきました。 赤熟した鉄は打たれることによって質が良くなり、様々な形に整えられていきます。 諸君にも厳しい鍛錬の時が必要です。 九州病院は、日本の医療の未来を担う研修医諸君に最適の修練の場を提供してきたと信じています。 諸君に必要な物は研修に対する熱意だけです。 実り多い研修医生活を過ごし、臨床医としてのしっかりした基礎を造る為に、是非、当院の研修医募集に応募して下さい。 当院は1955年設立されて以来、北九州地区の基幹病院として、つねに幅広い分野で高度医療を提供してきました。 2004年5月には、最新の医療設備とホテルかと羨まれるほどのアメニティーを有する新病院に移転して、一層活発な医療活動を展開しています。 これまでに高く評価されてきた新生児から高齢者にいたる循環器診療にくわえて、今では、地域支援病院のほかに、癌診療拠点、地域周産母子センター、救急指定、災害拠点などの認可をえています。 ところで、当院は2003年臨床研修制度改革を機に質的な大変革をしました。 臨床に熱い情熱をもつスタッフが、研修医の指導をしながら一層の臨床力と教育能力を磨いています。 総合診療部と救急部による初期診療や救急医療の充実、EBM推進、臨床指標導入などに臨床研修への責任が反映されています。 病院の基本方針には「将来の医療を担う優れた医療人の育成」が明示されました。 病院に隣接する研修医宿舎も全面改修され、快適な環境が整っています。 研修プログラムについては、当初から自由選択期間を設定して、幅広い基礎的臨床能力のうえに専門性をめざすことを提案し、諸君の先輩とともに内容を進化させてきました。 今回の研修見直しでは、推奨プログラムでご覧いただけるように、内科・外科・小児科・産婦人科それぞのコースにふさわしい選択科の提案とともに、2年目の地域医療研修を「連携と在宅医療」をキーワードに充実させます。 緩和ケアとともに、病める人が単なる患者ではなく、多様な価値観と社会的背景を持った一人の人として見えてくるはずです。 大変忙しい生活となることは必定ですが、当院を去る時には「若い時の苦労は買うてもせよ」という言葉を実感されることでしょう。 大学の垣根をこえて当院の研修に参加した先輩達も、ほぼ全員が恒例の同窓会 湯けむりクラブ に集い、後輩を励ましています。 若いエネルギーに満ちあふれた諸君の参加を熱望します。 2018年6月 病院長 内山 明彦 研修管理責任者(副院長) 山本英雄 総合診療部(部長) 酒井賢一郎 2019年度 医師臨床研修プログラム 1. 病院の基本方針と医師臨床研修 「上級医の指導のもとにできるだけ多くの症例を経験することによって、刻々と変化する患者さんのさまざまな病態に的確に対応できる臨床医を養成する」という教育方針を堅持します。 その実現のため、厚生労働省が主導する指導医講習会の認定指導医を36名とし、さらに増員を図りながら、研修指導内容や方略の標準化を進めていきます。 また、後期専門研修医41名は、自らの専門研修とともに、いわゆる屋根瓦方式として皆さんの初期研修を援助して実りあるものにするでしょう。 2014年4月に初期研修をおえた13名のうち6名がひきつづき当院の後期研修に進むことになったのは指導にかかわった全職員の喜びですが、その後期研修医も内科、外科、小児科、産婦人科、麻酔科、病理検査科と多彩なコースで諸君を待っています。 研修プログラム責任者 臨床研修教育責任者 : 山本 英雄(副院長) 副臨床研修教育責任者 :酒井 賢一郎(総合診療部部長) 3. 研修プログラムの概要 1)進化した研修プログラム 当初から自由選択期間を設定して幅広い基礎的臨床能力のうえに専門性をめざすことを提唱し、機会あるごとに内容を進化させてきました。 今年度は、「九州病院医師臨床研修プログラムを 内科系・外科系・産婦人科・小児科・麻酔科などの志望に対応 」を提案します。 プログラム作成にあたり、必修科目 内科6ヶ月、救急3ヶ月、地域医療1ヶ月 のほかに、選択必修5科目のうち4科目-外科 3ヶ月 、産婦人科と小児科、麻酔科 それぞれ1ヶ月以上 -は、初期研修で是非とも研修すべきと考えて、このことを反映させました。 これら4診療科は当院の診療の機軸をなす部門ですし、過去の研修実績や研修医との意見交換の結果であります。 2年目の緩和ケア病棟1ヶ月の研修は、初期研修の基本理念「医師としての人格の涵養」を目指すもので、実績をあげてきました。 地域医療研修は「連携と在宅医療」をキーワードに充実させました。 精神科については協力病院 八幡厚生病院 での研修を準備しています。 以上より、自由選択枠が6ヶ月と狭い印象があるものの、初期研修の基本理念に沿った目標を達成することが基幹型臨床研修施設の責任と考えた提案です。 2)指導医 各学会の専門医の資格を有する60余名のスタッフが効果的な指導に当たります。 厚生労働省認定指導医は38名で、今年度さらに増員を準備しています。 実際の研修では症例毎に主たる疾患の専門医が指導医となりますが、複雑な病態を示す症例の場合などでは、診療科の枠を越えた診療協力と指導を受けることができます。 3)後期研修への連結 当院は国内の主要な臨床学会の教育研修指定施設です。 このため、初期臨床研修終了後、当院で学会専門医を目指した後期臨床研修を継続することが可能です。 原則として、希望者には当院での3年目後期研修 内科系修練プログラムや小児科プログラムなど を保証します。 2019年九州病院 医師臨床研修プログラム 図表参照 募集定員:11名 5. プログラムの目的• 初期臨床研修を通して、科学的根拠に基づいた医療を実践できる能力と患者の生命・人権を守る医師としての倫理感を涵養する。 全ての研修医が、将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切な対応ができるよう、プライマリ・ケアを中心とした基本的臨床技能を習得する。 医学・医療の社会的ニーズを認識し、病める人を多様な価値観を持つ一人の人間として捉え、医療を実践できる臨床医師を養成する。 このコースは、3年目以降に専攻する成人への医療 内科系、外科系、産婦人科 および小児科、麻酔科などの専門性を習得するための基礎となる研修です。 プログラムの解説 内科系、外科系、産婦人科、小児科、麻酔科など広範な臨床分野の医師のための基本的研修です。 このため自由選択期間では、それぞれの目標により様々な選択が可能です。 たとえば内科医を目ざす場合、内科研修期間を必修の6ヶ月にさらに3ヶ月間延長して、後期研修をくわえた3年間で内科認定医の受験資格を得るのに十分な研修成果を得ることを勧めます。 また、皆さんが外科系、産婦人科、小児科などを専攻したいなら、この選択6ヶ月の一定期間に、外科、産婦人科、小児科などの研修を選択できます。 いわゆる「選択必修科目」とされる外科 3ヶ月 、小児科・産婦人科・麻酔科 少なくとも1ヶ月 の研修は、将来の専門性にかかわらず重要な基礎となると信じ、また、当院が果たしている各分野の拠点的診療状況を考慮して、当院のプログラムでは「必修」としました。 初期研修中の2年間は総合診療部に所属して、共通カンファランス企画 CPC、放射線科画像カンファランス、医療安全カンファランスなど への参加が保障されます。 なお、プライマリ・ケアと救急医療研修の一層の充実のために、救急と麻酔科研修期間以外の全研修期間を通して、配属中の臨床科の研修に妨げにならない範囲で、月1回程度、週末夜間または休日の救急外来の診療研修を行います。 プログラム責任者と総合診療部医師は研修の進行をみながら、適宜、研修医自身の意見を聞き、各分野の指導医と協議し、研修計画を柔軟に修正していきます。 1)オリエンテーション 研修開始前に全研修医を対象にオリエンテーションを行います。 実際の診療に即した研修を開始する上で、研修医に共通に必要な研修項目として、安全管理、院内感染予防、二次救命処置 ICLS 、外傷初期治療 JATECに準じる 、保険診療、地域医療、患者面接、臨床検査、接遇、チームワークなどを講義と実習形式で準備します。 「手洗い清潔操作」は外科研修中に実施するように、一部は初期オリエンテーション以外の時期になります。 さらに、いわゆる屋根瓦方式による指導を推進して、研修導入時の不安と障害を軽減しています。 2)必須科の紹介• 内科 初期は一人の指導医から当直を含めて1:1の指導を受けることができます。 2年次研修医や後期研修医とともに診療する「屋根瓦方式」も定着してきました。 内科の研修期間中は、担当する疾患と負担に偏りが無いことと細切れになることを防ぐために、一定の期間毎 約3ヶ月 、疾患群によりローテイトする。 現在、「循環器、呼吸器、腎疾患、内分泌、神経内科」と「血液・腫瘍、消化器」に大別されているが、症例数により多少の変更があります。 それぞれの分野で、医療面接・診察により得られた患者情報から診断・治療にいたるまでの手順と論理を研修すると共に、採血法、注射法、除細動など診療の基礎となる手技を会得し、専門的技術・技能の習得を目指しています。 救急 総合診療部 1次から2. 5次、すなわち比較的軽症の急変患者から重症救急患者の初期治療を担当します。 当院は救急告示病院で、診療時間内外の成人救急患者は年間1万人を超えています。 救急車搬送は年間約4,400台である。 総合診療部指導医の元で、救急患者に対応し、診断・治療などプライマリ・ケアの技能が習得できます。 なお、ほぼ同数の小児救急受診には、小児科専門医と小児科選択中の研修医が対応します。 地域医療 研修協力施設の責任者には管理委員会に参加していただき研修の基本と実際について意見交換を行っています。 研修修了後に研修医は当院総合診療部医師の指導のもとにレポートを作成し、臨床研修管理委員会に提出します。 各研修施設には全方向的 360度 評価を依頼しています。 現在、確定した協力研修施設は以下の通りです。 慢性期療養型医療施設での研修 : 1ヶ月間• 浅木病院(郊外型中規模病院、リハビリと在宅支援で高い評価。 当院脳卒中チームから急性期2週をすぎて転院をすることが多い施設である)• 東筑病院(都市型中規模病院、循環器・消化器など幅広い診療と療養施設を併置する)• JCHO登別病院(当院と経営母体を同じくする病院で、整形外科とリハビリテーションを中心とした200床規模である。 療養型診療とリハビリテーション医療などの研修のほかに、高齢化、医師不足、寒冷気候など厳しい医療過疎地域の医療を体験することの意義は大きい) 診療所での研修 : 2~4週間• 相島診療所(離島でのプライマリ・ケアを実践) 3)選択必修化の紹介• 外科 指導医、レジデントとチームを作り研修を行います。 一般外科を中心に研修し、簡単な切開排膿、創部消毒、ガーゼ交換、皮膚縫合法、ドレーン・チューブの管理など外科的基本手技を経験し習得します。 麻酔科 手術患者の呼吸循環管理などを含む基礎的麻酔管理を研修します。 気道確保・人工呼吸・心マッサージなど一次救命 BLS 、二次救命 ICLS の基本となる技術が体得できます。 小児科 循環器と新生児医療を中心に感染症・神経疾患・心身症など小児期全般の問題に対処しています。 病棟内や外来の患者の急変に対応するために、計20名の常勤医が日夜診療と指導にあたっています。 発育過程における代謝や検査値の違い、患者家族のケアなど小児医療に必要な基礎的知識を身につけることができます。 さらに指導医と共に当直することにより小児科の救急患者にも対応できる能力を得ることができます。 産婦人科 分娩年間約500例、正常経膣分娩立会いのほかに、約半数をしめる異常妊娠分娩・帝王切開症例も経験できます。 また、悪性腫瘍患者の手術・化学療法などの症例も多く実践的な産婦人科研修が可能です。 指導医と共に当直することにより産婦人科の救急患者にも対応できる能力を得ることができます。 緩和医療 緩和ケア病棟で臨死患者の診療を担当し、ターミナル・ケアにおける症状緩和方法や患者と家族に関わる姿勢を学びます。 精神科 一般診療の場で数多く遭遇するパニック症候群や神経症、認知症などは「緩和医療/心療科外来」でも研修できます。 当院の入院患者として統合失調症を担当した場合、専門医の指導のもとに研修できます。 さらに、協力病院での研修を準備しています。 4)その他の選択診療科(部門)の説明 研修充実のために以下に記載する診療科 部 を選択できる。 その際、入院病床を持たない臨床科 * を研修する際には内科または神経内科の入院患者の担当医となることがあります。 整形外科• 脳神経外科• 心臓血管外科• 泌尿器科• 耳鼻咽喉科• 皮膚科*• 放射線科*• 臨床病理検査科* 7. 研修の到達目標 厚生労働省「臨床研修の到達目標について」に準じています。 研修の評価と修了認定 1)研修医の評価・修了認定• 研修医は自己の研修内容を記録し、入院診療要約(病歴・診療経過など)、手術要約、レポートなどを作成します。 これらを資料として目標到達度を自己評価します。 自己評価のため研修修了後1ヶ月以内にEPOC(大学病院医療情報ネットワークのオンライン臨床研修評価システム)に入力しなければなりません。 指導医は、ローテーションごと(およそ3ヶ月単位)に各研修医の目標達成状況を把握し、形成的評価・指導を行います。 評価は指導医ばかりでなく同僚研修医、看護師など医療チームを構成する全員によっても行われます。 指導医は医療チームの評価を参考にして、臨床研修終了後1ヶ月以内にEPOCに評価を入力します。 臨床研修責任者は研修医の到達状況を適時把握し、研修医が研修修了時までに到達目標を達成できるように助言・指導し、研修プログラムを調整します。 2年間の全プログラム終了時には、臨床指導者部会において客観的個別評価(目標達成度、EPOC記載内容、客観的評価法、学会研究会への参加と発表)を行い、臨床研修管理委員会で総括評価を受けます。 病院長は研修管理委員会が行う総括評価の結果を受けて、研修修了証を発行します。 2)指導医・指導方法への評価 研修経過中および終了時に、研修医はプログラム責任者との面談や客観的方法より指導医や研修した診療科への評価が行い、その結果は研修内容と方法の改善に役立てます。 3)研修プログラムの評価 臨床研修管理委員会は、研修プログラムが効果的かつ効率的に行われていることを点検評価して、研修プログラムの改善に反映します。 研修医の処遇 1)処遇 身分 臨床研修医(任期付職員) 宿舎 研修期間中は病院宿舎(個室、1K:冷暖房・バス・トイレ付。 )に入居するのを原則とします。 給与 1年次 月額約30万円 2年次 月額約33万円(その他諸手当有り) (上記は平成26年度の実績であり変更の可能性あり) 勤務時間 8:30~17:15 救急ローテーション時は交代勤務・副当直4回~5回 休日 土曜・日曜・祝日・年末年始 有給休暇 1年次10日間 2年次20日間 その他特別休暇制度があります。 研修医室 無し 健康診断 年2回 定期健康診断・特定従事者健康診断 社会保険 厚生年金・健康保険・雇用保険など完備しています。 医師賠償責任保険 病院としては賠償責任保険に加入しています。 研修医が個人の医師賠償責任保険に加入することを推奨しています。 学会活動への補助 1 当院の研修医期間中に開催される学会への参加費用が支給されます。 2 当院で行った研究や症例報告が学会誌へ掲載される場合、必要な費用の一部を補助する制度があります。 2)研修後の進路 レジデントとして卒後5年次まで、当院で後期研修を継続できる制度があります(処遇・応募方法等の詳細については総務企画課に尋ねてください)。 なお、後期研修修了後、フェロー・医員として登用することもあります。 募集及び採用方法• 募集方法 : 公募 マッチングシステムに参加登録する者• 募集人数 : 11名• 応募必要書類 : 履歴書・卒業見込証明書・成績証明書• 選考方法 : 面接・SPI 11. プログラム、特に自由選択科目と期間においては、研修医の希望と適性に応じて、個別に柔軟に対応します。 2018年6月.

次の