アメリカ 原油価格。 原油価格急落、「OPECプラス」に何が起きたのか 緊迫する原油市場、サウジアラビアとシェール企業が窮地に(1/4)

WTI原油先物チャート|チャート広場

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3月9日の米国市場では、NYダウが記録的な下落となりました。 新型コロナウイルスの影響だけでなく、原油価格の急落も影響したようです。 この2点の解説とともに、日本の個別銘柄についても、投資する際の注意点を挙げています。 3月9日のNYダウは過去最大の下げ幅に 3月9日の米国市場では、NYダウは前営業日比-2013. 76ドル安の23851. 02ドルと、大きく下げました。 急激な変動のため、サーキットブレーカーが発動し、15分間取引が停止されました。 サーキットブレーカーとは、株式市場などで価格が一定以上の変動を起こした場合に、強制的に取引を止める措置をとる制度です。 そう頻繁にあることではありません。 このような状況では、パニック的になりやすいです。 いったん取引を止めて、投資家に冷静になってもらう目的で設定されています。 原油価格の急落がNYダウを大きく押し下げた ただ、新型コロナだけでは、ここまで米国株が大きく下げることはなかったと思います。 むしろ、2つめの理由である原油価格の急落が、この日のNYダウを大きく押し下げたと考えられます。 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の協調減産をめぐる交渉が決裂し、サウジアラビアが価格競争を開始したためです。 この原油価格の値動きは、やっかいな話です。 原油価格の下落という材料は、日本国内だけを見れば、むしろプラスのニュースです。 言うまでもなく、日本はほぼすべてを輸入に頼っており、原油価格が下がると安く仕入れられます。 そうなると、ガソリン価格が下がって運送業者の負担が減ったり、マイカーを持つ家計にも恩恵があります。 東日本大震災以降、電力会社は火力発電に頼っており、電力料金の引き下げから、ひいては工場などでの企業活動にも好影響があります。 米国で見ると石油(オイル)関連が国内産業において大きな比重を占めています。 NYダウで言えば、シェブロンやエクソンモービルといったオイル関連の企業の株価が指数に大きく寄与するため、この2銘柄の株価急落は、NYダウという株価指数自体も大きく押し下げます。 NYダウが下落すれば、日本株も下落するといった悪循環になります。 ロシアも原油やLNGといった資源(コモディティ)の輸出で経済を支えており、中東や中南米、東南アジアの国の中にも、国策としているところが多いです。 これらの国では、原油価格の急落はまさに「国家の一大事」です。 格付け会社のフィッチ・レーティングスは9日、原油価格の崩壊で湾岸産油国の財政は圧迫されると警告するレポートを公表しています。 これが何を意味するのかと深読みすれば、産油国からファンドなどを通じて行われている投資資金が引き上げられる可能性があるということです。 ソフトバンクGの株価はしばらくさえない展開か 日本のソフトバンクグループの株価の下げがきついと話題になっています。 多額の資金を借り入れ、レバレッジを利かせて投資を行うビジネスモデルであり、世界的な経済の失速懸念は確かに逆風です。 もう1つ見逃がせないのが、同社が運営する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」への出資先に、中東の政府系ファンドやオイルマネーがかなり入っていて、それが逃げ出すのではとの「思惑」です。 なぜ「思惑」かと言えば、実態がつかめないからです。 マーケットが正しいかもしれないし、間違えているかもしれません。 「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」については、具体的な出資先、投資先が会社側から示されておらず、イマイチ中身がよくわからないと、しばしば投資家の声などが新聞報道などで見受けられます。 これが背景です。 投資資金は不透明感や「よくわからない」を敬遠しがちです。 投資家がリスクを取りにくい状況であり、ソフトバンクグループのように投資事業を主力とするような企業では、株価はしばらく上値の重い展開になりそうです。 連載投資初心者でもわかる金融マーケットや経済の話• 【第7回】 米国市場が大混乱…原油価格の急落でどこに影響があるのか?•

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原油価格が急落の原因やシェールオイルの採算ラインや採掘原価、OPECプラスの動向は

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米国で原油先物の価格がマイナスとなる珍事が起きた。 新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞し、余った原油の買い手がつかなくなったためだ。 余剰分をためておく地上の貯蔵スペースが乏しくなり、関係企業が洋上の巨大タンカーを貯蔵庫代わりに使い始めた。 (ワシントン 塩原永久) ニューヨーク原油先物相場で、指標となる米国産標準油種(WTI)がマイナス価格となったのは4月20日。 週明け初日となった同日、ニューヨーク原油先物相場でWTIの5月渡しは午前中から売りが加速。 前週末比55・90ドル安の1バレル=マイナス37・63ドルで取引を終え、同商品が上場した1983年以来、初めて価格がマイナスになった。 事実上、売り手が代金を支払って原油を引き取ってもらう異常事態だ。 米国で感染症対策の外出制限が広がり、航空機や自動車の利用機会が激減。 市場関係者の想定以上に需要が急ピッチで落ち込んでいるが、「蛇口を閉めるように即座に生産を止められない」(業界関係者)事業者の供給削減が、需要減に追いつかない状態だという。 PR 米国の主要拠点となるオクラホマ州クッシングの貯蔵スペースが急速に減少しており、近く満杯になる見込みだ。 米国内での貯蔵余地が乏しくなったことも投資家の不安を誘い、同月21日を期限とした5月渡しは投げ売り状態となった。 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による「OPECプラス」は、5~6月に日量970万バレルの減産を実施することで合意したが、需要の先細りに見合った減産量だとの見方は少ない。 原油市場は当面、供給過剰の状態が続き、相場に下押し圧力がかかると指摘されている。 同通信が伝えた貯蔵スペースのリース契約を扱うブローカーによると、「ヘッジファンドから何十もの電話やメールが届いている」という。 「スーパータンカー」と呼ばれる巨大タンカーのリース価格も上昇している。 地上の貯蔵スペースが底をつく見通しとなり、洋上に浮かぶタンカーを貯蔵庫代わりに使おうとする関係企業が、タンカーを借り上げようとしているためだ。

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シェールオイル関連企業の経営破綻が相次ぐ 原油価格低迷で 米

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原油価格が私たちの生活に影響を与えた例として有名なのがオイルショックです。 トイレットペーパーの買い占めが起きて、市場で流通しなくなったという話はよく知られています。 1970年代に原油価格が急激に高騰することによって起きた経済混乱です。 1950年から1960年代、世界的に主要なエネルギー源が石炭から石油に変わり、日本でもアラブ地域などの石油を使って経済成長を遂げました。 ところが、1973年には第4次中東戦争が勃発します。 アラブ石油輸出国機構(OAPEC)はイスラエルを支持するアメリカなどの動きをけん制するために、原油の輸出禁止や原油価格引き上げの方針を発表しました。 このことで原油の取引価格は4倍ほどに高騰しました。 日本は禁輸措置の対象国とはなりませんでしたが、このオイルショックによって景気が減退し、高度経済成長に終止符が打たれたのです。 1980年代には石油が供給過多となって原油価格は暴落しました。 その後、2000年代になると、OPEC加盟国が生産調整をおこなって石油価格は上昇しています。 日本ではオイルショックの経験を踏まえて省エネ型の産業への転換が進められてきました。 多くの工場で省エネが図られ、それは現在でも続いています。 自動車産業の低燃費化の追求は、自動車の輸出促進に大きく貢献してきました。 経済への影響が大きな原油価格ですが、2014年までは1バレル100ドル前後で取引されていました。 しかし、2014年後半には、一時4分の1にまで下落し、2019年現在も最も高かったときの半分程度の価格で取引されています。 これは単純に言えば、石油を消費する国から石油産出国へ支払われる代金が少なくなったことを意味することになります。 石油を消費している国からすればコスト削減になっているものの、石油産出国からすると大きな減収です。 例えば原油で多くの収入を得ているロシアなどは経済的に大きな打撃となります。 日本は石油を消費している国なので、石油価格が下落すれば企業のコストは減ります。 また石油関連製品の価格も下がっていくでしょう。 ただし、石油が下がれば下がるほどよいかというと、それもまた違います。 石油価格が急激に動けば、株式市場など資産価格にも影響します。 市場は急な価格変動を不安要素として捉えることもあるでしょう。 オイルマネーと言えば、誰しも中東をイメージするでしょう。 しかし、2018年の原油生産量トップはアメリカです。 2013年まではサウジアラビアがトップだったものの、シェールオイルの開発が進んだことによりアメリカがトップに躍り出ました。 さらにアメリカは石油の消費量においても世界でトップ。 つまり、アメリカは世界一の産油国で消費国なので、それだけ原油価格に与える影響も大きくなります。 特に近年問題となっているのは米中の貿易摩擦でしょう。 アメリカから原油を輸入している中国がアメリカ産の原油輸入に課税する懸念、他国からの輸入に切り替える不安から、アメリカの原油価格は下落しています。 原油価格が下落することで影響を受けやすいのがアメリカのシェールオイル企業です。 シェールオイル企業が原油で利益を出すためには、1バレルあたり平均50ドル以上でなければいけないと試算されています。 つまり50ドル前後が損益分岐点です。 原油価格が50ドルを割るようであれば利益率は大幅に悪化します。 原油価格は1バレル50ドル割れ寸前まで下落した後、現在は50ドル台半ばから60ドル付近にまで回復してきました。 アメリカの巨大石油産業シェブロン、チェサピークエナジー、エクソンモービルがどの程度の原油価格下落まで耐えうるのか世界的にも注目が高まっています。 石油価格が下落することでアメリカの石油生産が低下すれば、当然世界の市場が反応を示します。 また日本の製造業は北米市場への依存が大きく、アメリカの景気は日本の景気を左右することになるでしょう。 日本でもエネルギー調達の手段を多様化するなど、原油価格の動向に左右されない仕組みの構築が求められています。 バランスが取れたエネルギー戦略を構築できるかどうかが、これからの日本企業が利益を確保し続けることができるかどうかの分岐点になるのかもしれません。

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