サリドマイド 胎芽 症。 3分でわかる技術の超キホン サリドマイドとは?(薬害事件の過去、そして新たな可能性)

3分でわかる技術の超キホン サリドマイドとは?(薬害事件の過去、そして新たな可能性)

サリドマイド 胎芽 症

本剤はヒトにおいて催奇形性(サリドマイド胎芽病:無肢症、海豹肢症、奇肢症等の四肢奇形、心臓疾患、消化器系の閉塞等の内臓障害等)が確認されており、妊娠期間中の投与は重篤な胎児奇形又は流産・死産を起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には決して投与しないこと。 (「禁忌」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) 本剤の胎児への曝露を避けるため、本剤の使用については、安全管理手順 が定められているので、関係企業、医師、薬剤師等の医療関係者、患者やその家族等の全ての関係者が本手順を遵守すること。 (「禁忌」の項参照) 妊娠する可能性のある婦人に投与する際は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認したうえで投与を開始すること。 また、投与開始予定4週間前から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認するとともに定期的に妊娠検査を行うこと。 (「重要な基本的注意(1)」の項参照) 本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。 本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、投与開始から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認すること。 また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと。 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。 また、治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。 らい性結節性紅斑では、ハンセン病の診断及び治療に関する十分な知識を有する医師のもとで、本剤を使用すること。 深部静脈血栓症及び肺塞栓症を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。 異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 禁忌 次の患者には投与しないこと 再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する本剤の投与は1日1回100mgより開始し、効果不十分な場合には4週間間隔で100mgずつ漸増すること。 再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して本剤を16週間を超えて投与した場合の有効性・安全性についてのデータは限られている。 16週間を超えて本剤の投与を継続する場合には、投与を継続することのリスク・ベネフィットを考慮して、慎重に判断すること。 再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する本剤の用量を調整する場合には、治療抵抗性多発性骨髄腫患者を対象とした国内臨床試験で使用された下記の減量・休薬、中止基準を考慮すること。 投与量 休薬・減量 中止 100mg 休薬:Grade2の非血液毒性またはGrade3の血液毒性が認められた場合 深部静脈血栓症、Grade4の血液毒性またはGrade3以上の非血液毒性 200mg以上 減量:Grade2の非血液毒性またはGrade3の血液毒性が認められた場合、100mg減量する。 減量後1週間で症状の回復または軽快がみられない場合、さらに100mg減量する。 (Gradeは、有害事象共通用語規準v3. ) 使用上の注意 本剤には催奇形性(サリドマイド胎芽病:「警告」の項参照)があるので、妊娠する可能性のある婦人に投与する際は、少なくとも投与開始予定の4週間前、2週間前及び投与直前に妊娠検査を実施し、検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。 また、妊娠していないことを定期的に確認するために、間隔が4週間を超えないよう妊娠検査を実施する。 本剤の安全管理を確実に実施するため、1回の最大処方量は12週間分を超えないものとすること。 本剤投与開始から投与終了4週間後までは、精子・精液の提供をさせないこと。 本剤の抗血管新生作用が創傷の治癒を阻害する可能性があることから、外科手術等を実施した場合、適切な期間本剤の投与を中止すること。 傾眠、眠気、めまい、徐脈、起立性低血圧が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。 本剤のらい性結節性紅斑に対する使用にあたっては、国内のガイドライン を参照の上治療を行うこと。 相互作用 中枢神経抑制剤 バルビツール酸誘導体 バルビツール酸塩等 フェノチアジン系薬剤 クロルプロマジン等 モルヒネ誘導体 ベンゾジアゼピン系薬剤 ジアゼパム等 抗不安剤 催眠剤 アルコール 抗うつ薬 交感神経遮断薬 レセルピン等 ヒスタミンH 1受容体遮断薬 バクロフェン 他の薬物の鎮静作用を増強する。 相互に作用を増強するおそれがある。 ザルシタビン ビンクリスチン硫酸塩 ジダノシン 末梢神経障害のリスクを高める危険性がある。 相互に作用を増強するおそれがある。 ドキソルビシン塩酸塩 デキサメタゾン 経口避妊薬 血栓症と血栓塞栓症のリスクを高める危険性がある。 相互に作用を増強するおそれがある。 デキサメタゾン デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム 海外において、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)が発現したとの報告がある。 機序は不明である。 ゾレドロン酸水和物 海外において腎機能不全が発現したとの報告がある。 相互に作用を増強する。 29 2. 86 8. 80 4. 20 2. 57 8. 03 4. 085 100 1日目 1. 22 2. 62 16. 92 4. 19 3. 54 16. 02 4. 42 1. 033 200 1日目 2. 48 5. 67 30. 35 7. 27 3. 63 33. 97 5. 59 1. 藤本製薬株式会社:サリドマイド製剤安全管理手順. Teo SK. et al. , Toxicol Sci, 81, 379-389, 2004. 藤本製薬株式会社:FPF300の多発性骨髄腫に対する臨床試験まとめ(社内資料). Koransky W. et al. , Proc Soc Exp Biol Med, 116, 512-516, 1964. Nicholls PJ. , J Pharm Pharmacol, 18, 46-48, 1966. Schumacher HJ. et al. , J Pharmacol Exp Ther, 173, 265-269, 1970. Fabro S. et al. , Biochem J, 104, 565-569, 1967. Teo SK. et al. , J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci, 767, 145-151, 2002. Eriksson T. et al. , Chirality, 10, 223-228, 1998. Schumacher H. et al. , Br J Pharmacol Chemother, 25, 324-337, 1965. Lu J. et al. , Clin Cancer Res, 9, 1680-1688, 2003. Eriksson T. et al. , J Pharm Pharmacol, 50, 1409-1416, 1998. Teo SK. et al. , J Biochem Mol Toxicol, 14, 140-147, 2000. Ando Y. et al. , Cancer Biol Ther, 1, 669-673, 2002. Chung F. et al. , Clin Cancer Res, 10, 5949-5956, 2004. Schumacher H. et al. , J Pharmacol Exp Ther, 160, 201-211, 1968. D'Amato RJ. et al. , Proc Natl Acad Sci USA, 91, 4082-4085, 1994. Sampaio EP. et al. , J Exp Med, 173, 699-703, 1991. Gupta D. et al. , Leukemia, 15, 1950-1961, 2001. Davies FE. et al. , Blood, 98, 210-216, 2001. Haslett PAJ. et al. , J Exp Med, 187, 1885-1892, 1998. Hideshima T. et al. , Blood, 96, 2943-2950, 2000. 藤本製薬株式会社:サレドカプセル100の薬物動態試験(食事の影響)のまとめ(社内資料). Moller DR. et al. , J Immunol, 159, 5157-5161, 1997. Lee DJ. et al. , J Infect Dis, 201, 558-569, 2010. Shannon EJ. et al. , Int Immunopharmacol, 10, 487-492, 2010. 石井 則久 他, Jpn J Lepr, 80, 275-285, 2011. 藤本製薬株式会社:サレドカプセル50・100の薬物動態試験(反復投与)のまとめ(社内資料) 作業情報.

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サリドマイド胎芽病

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虎の門病院血液内科 部長 谷口 修一 サリドマイドの歴史 サリドマイドは1950年代後半に当時の西ドイツで睡眠薬として開発されました。 日本でも1960年代に販売が開始され、不眠症、手術前の鎮静、胃腸薬や妊婦のつわり治療まで幅広く使用されました。 しかし、サリドマイドを妊娠中に服用した場合、四肢奇形などの重度の先天異常や胎児の死亡を引き起こすことが明らかとなり、ヨーロッパでは直ちに薬剤の販売停止と回収が実施された。 ところが、わが国においてはその販売停止と回収が遅れ、およそ1,000名ものサリドマイド被害者(うち認定被害者309名)を生む結果となり、社会的にも大規模な薬害事件に発展しています。 この結果に基づき、1998年に米国FDAはハンセン病に伴う結節性紅斑を適応症として厳重な管理システム(System for Thalidomide Education and Prescribing Safety :S. celgene. htm))の下にサリドマイドの使用を承認しました。 現在では、サリドマイドは予後不良な多発性骨髄腫の治療薬として重要な位置づけにあり、これらを踏まえ、2003年にオーストラリアとニュージーランドで治療抵抗性の多発性骨髄腫の適応が承認され、米国でも、2006年にデキサメタゾンとの併用で多発性骨髄腫の適応が追加されました。 日本では承認が遅れ、患者の強い希望もあり、医師の個人責任の下、薬監証明による個人輸入が行われ、その使用量は急増していました。 ただ、各医療機関におけるサリドマイドの使用と管理については必ずしも適正に行われているとは言えず、新たな薬害が発生する危険性を危惧される状況にありました。 こういった経緯の後、ついに2008年10月16日に標準的な治療の効果が不十分、または再発した場合の多発性骨髄腫治療薬として承認されたという状況です。 提供 : 株式会社スズケン.

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サリドマイド胎芽病

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このページの目次です• サリドマイドには催奇形性がある サリドマイドは胎芽期に作用して奇形を生じる サリドマイド胎芽病とは、サリドマイドを妊娠初期の母親が服用することによって、胎児(正確には胎芽)に生じる障害(奇形)のことをいう。 つまり、サリドマイドには催奇形性がある。 妊娠中の母親が、胎芽期(胎児になる前の段階:週齢で3~7週)にサリドマイドを服用すると、種々の奇形を生じる可能性が極めて高い。 つまり、サリドマイドによる奇形は妊娠初期(胎芽期)に限られる。 ここで週齢とは、最終月経開始日からの週数をいう。 生理中は第ゼロ週となる。 排卵日は、最終月経開始日から14日前後(一般的な月経周期28日前後)であり、第2週の初めとなる。 その後、もし受精すれば、すぐに第3週である。 さて、サリドマイドによる障害(奇形)は、四肢(特に上肢)、顔面(特に耳)そのほか全身に及ぶ。 その一方で、難聴や外耳奇形を含む聴覚器に強い障害が出る場合がある。 さらに、あまり知られていないが、障害は内臓まで及ぶことも見逃せない。 なお、「サリドマイド胎芽症 診療ガイド2017」において、「サリドマイド胎芽病」は「サリドマイド胎芽症」と改称されている。 胎芽の成長段階に応じて、薬に敏感な器官は異なっている サリドマイドを妊婦が服用することによって生じる障害(奇形)は、いずれも妊娠初期(胎芽期)に限られている。 さらに細かくみると、胎芽の発達段階に応じてサリドマイドに敏感な器官は異なっている。 つまり、サリドマイドを服用する時期の違いによって、奇形の種類(形)は異なってくる。 サリドマイド胎芽病による奇形には、一定の連続性(順序)がある。 例えば、上肢・下肢では、形成不全(低形成)から部分欠損さらに完全欠損(無形成)へと変化していく。 (栢森1997,p. 147) 最終月経開始日から数えて、34~50日の間が危ない ノバックとレンツは、最終月経開始日からの日数を基にして、サリドマイド胎芽病の所見ごとに、それらが発生しやすい時期(過敏期)について詳細な研究を行った。 その結果、妊婦のサリドマイド服用による障害は、最終月経初日から数えて34~50日の間に生じることが分かった。 (増山編1971,木田p. 138) 受精卵から着床まで:週齢で1~2週、胎芽期:週齢で3~7週、胎児期:それ以降8~38週。 (最終月経開始日から14日後排卵、受精と仮定) レンツの調査研究の成果は、木田監訳1981,p. 281「サリドマイド服用の時期と奇形の種類の関係」にも記載されている。 ここで、サリドマイド服用の時期とは、月経後の日数(最終月経第1日目から数えた日数)のことである。 月経後の日数と奇形(以下、木田監訳1981,p. 281から引用)• 35日・・・・・無耳症、顔面神経麻痺、眼筋麻痺• 37日・・・・・異常のない橈骨と母指の欠損• 38~40日・・・上肢の欠損またはほぼ完全な欠損• 41~43日・・・鎖肛、腎奇形、膣閉鎖• 43~45日・・・重症上肢奇形、心奇形、十二指腸閉鎖および狭窄• 44~47日・・・重症下肢奇形、心奇形• 47~48日・・・母指3指節、鎖肛 表の説明では、「日数は、個々の奇形症状に対する最も頻度の高い服用日をあげたものである。 個々の症例は5日までの偏差があり、月経不順の場合にはこの偏差はさらに大きくなる」としている。 注)橈骨(とうこつ)。 サリドマイドによる障害は、服用時期の早い順に、耳、腕そして脚の順番に生ずる レンツによる「月経後の日数と奇形」の研究成果からも分かるように、「一般に耳の奇形は受胎してから早い時期に薬を投与されたときに起こり、腕の奇形は少し遅れて、脚の奇形はさらに遅い時期に起こることが知られている」。 (増山編1971,木田p. 137) また、サリドマイドの影響は上下肢や耳だけではなく、そのほか眼科的な合併症や、口腔顔面領域における機能形態障害、あるいは、内臓(心臓奇形,無胆囊症,鎖肛など)まで及ぶ。 重症度に応じて死亡率も高まるものと思われる。 いずれにせよ、これらの障害によってサリドマイド児のADL(日常生活機能)は制限され、また、社会的に不利な立場におかれやすくなる。 障害者の「社会に参加する権利」を保証する「社会」の確立が望まれる。 全世界の生存患者数は5,850名(死亡率40%)と推定される サリドマイドの被害状況については、被害総数の中の生存者数及びその割合(生存率)、あるいは死産の数及びその割合(死亡率)の表記方法が資料によってまちまちとなっている。 また、それらの数値そのものが資料によって異なっている場合がある。 したがって、取り扱いには注意が必要である。 栢森良二(帝京大学医学部)による発生数のまとめ 栢森良二は、サリドマイド児の発生数について、レンツ文献から紹介している。 それによると、西ドイツが最も多くて3,049症例、ついで日本309症例、英国201症例と続いており、私なりにそれらを合計すると4,165症例となる。 (栢森1997,p. 39) そしてこの数値は、日本309症例とあることからも分かるように、生存被害児の数をまとめたもので間違いない。 ただし、ここで取り上げているのは全部で19か国であり、全世界をカバーしたものではないと思われる。 栢森は、さらにサリドマイド胎芽病の死亡率について、レンツ文献から次のように引用している。 「3,900症例が生存している。 死亡率は40%程度と算出されることから、全世界の発生は5,850症例と考えられる」。 (栢森1997,p. 41) 「全世界の発生は5,850症例」というのは、前述の「19か国の生存被害児4,165」を踏まえると、全世界(46か国で販売)の生存被害児の数を表すものと考えられる。 そしてこの数値は、「サリドマイド胎芽病診療 Q&A」(2014,p. 11)に記載された「全世界の発生は5,850名と推定」の数値と同じである。 なお、3,900という数値は、1988年(論文掲載年)になってレンツが改めて被害状況をまとめたときの生存者数と思われる。 いしずえホームページのデータは文献を正確に引用していない いしずえホームページでは、「事件の概要/被害の実態」の中で、「被害者の数」について次のようにまとめている。 LENZ,W. :TERATOLOGY. 38:203,1988 上記の栢森良二と同じレンツ文献を参考にしているものの、それぞれの数値の取扱い方に正確性を欠いている。 全世界で「3900例と報告され」: 栢森のまとめ方では、生存被害児数5,850と読み取れる。 3,900という数字については、栢森は「3,900症例が生存している」という表現で引用している。 1988年(論文掲載年)になって、レンツが改めて被害状況をまとめたときの生存者数と思われる。 つまり、死亡率、症例数共に異なっている。 サリドマイドの障害は四肢の欠損と耳の障害に大別される 日本におけるサリドマイド被害者の障害の種類と内訳 日本の被害認定患者数(生存者数)は309人である。 そこでは、「サリドマイド製剤による障害は主に四肢の欠損症と耳の障害です」とした上で、それぞれの障害の種類や障害の程度別の人数を一覧にしている。 つまり重複例は少なく、手の障害と聴覚障害の二つのグループに大別されることが分かる。 なお、総合計は、246+82-19=309(認定数309と一致)である。 注)いしずえ1984(p. 58)の資料の一部を少し修正しているようである。 「サリドマイド胎芽病診療 Q&A」(2014,p. 12)では、上肢低形成型233名、聴器低形成型56名、そして混合型20名としている。 総合計は、233+56+20=309(認定数309と一致)である。 「診療Q&A」の数値の内訳は、いしずえホームページとは多少異なっている。 2011年度以降、新たに実施した調査の結果、訂正(修正)したのであろう。 なお同Q&Aによれば、2012年4月現在の生存者数は295名である。 また、「診療ガイド2017」では、以下のとおり、さらに多少数字が変更されている。 「サリドマイド胎芽症は身体的特徴によって2つのグループに分けられる。 つまり上肢低形成群が75%、聴器低形成群が25%ほどとみることができる」。 (診療ガイド2017,p. 13) 薬物などの催奇形性は世界的な常識であった 増山元三郎(東京理科大学教授)の見解 薬物などに催奇形性があることは、サリドマイド事件当時、既に世界的な常識であった。 例えば、増山元三郎は次のような事例を挙げている。 (増山編1971,増山p. 14) (サリドマイド事件)当時既に堕胎剤に用いられるキニーネやアミノブテリン(ママ)の催奇形性が知られていたし、胎芽の発育期という点で、妊娠の初期の薬物投与が危険ということも、当時知られていたし、妊娠の初期に風疹にかかると、奇形児を生みやすいことも有名だった。 注)アミノプテリン(葉酸誘導体) ところで、サリドマイド児が数多く生まれた背景として、例えば日本では、「イソミンは妊婦にも安全である」として宣伝されたことが挙げられる。 ところが、イソミンの催奇形性試験は実施されてはいなかった。 世界的に見ても、その当時、新薬の催奇形性試験が〈義務〉付けられていなかったことは確かである。 しかしながら、サリドマイドを妊婦にも安全だとして宣伝する(した)以上は、当時の世界的な学問水準に基いて、サリドマイド発売前の催奇形性試験は必須だったと言える。 なお、この事件を契機として、日本でも1965年5月(昭和40)、厚生省通達(薬製第125号通達)によって新薬に対する催奇形性試験の実施が義務付けられた。 臨床薬理学の世界的権威・ティエルシュ教授(ワシントン州立大学)の証言 日本のサリドマイド裁判では、海外から3人が証人(及び鑑定人)として出廷した。 いずれも原告側であり、被告側の証人出廷は認められなかった。 原告側の3人とは、レンツ警告を発したレンツ博士(西ドイツ)、日本人のサリドマイド禍について最初に発表した梶井博士(出廷当時、ジュネーブ大学助教授)、そしてティエルシュ教授(米国)である。 (藤木&木田1974,各人の証言,1971年と1973年) ティエルシュ教授(ワシントン州立大学)は、臨床薬理学の世界的権威であった。 教授は第二次大戦後、数多くの化学物質について、多様な実験動物及びヒトを対象とした研究で成果を上げていた。 もちろん、催奇形性は主要な研究テーマの一つであった。 数多くの化合物に催奇形性があることは、サリドマイド発売当時既に世界の常識であった。 妊婦には何も服薬させないのが当時からの常識だった ティエルシュ教授は、裁判で次のように証言している。 「(サリドマイド発売までの時点において)産科、婦人科の教科書にも書いてあったことでありますが、妊娠期間中、特に最初の数ヵ月、三ヵ月ほどまでは、妊婦は何もとるべきでない、また、何もとることを勧告すべきでないというふうに言われておりました」。 (ティエルシュ証言,p. 195) 大日本製薬(株)は、「つわりも適応症だとパンフレットに書いていた」という(川俣2010,p. 178)。 もしそうであるならば、妊婦が服用しても催奇形性はないことを証明してから発売すべきであった。 ティエルシュ証言にあるように、当時既に、催奇形性のある化合物がいくつも知られていたからである。 また、成人において安全とされた化合物が、全て胎児にも安全であるとは限らないからである。 化学構造式から催奇形性は予見できた ティエルシュ教授は、裁判で次のようにも証言している。 サリドマイド奇形の話を初めて聞いた時、少しも驚かなかった。 なぜならば、サリドマイドの化学構造式には「グルタミン酸とフタール酸塩を含んでいる」と教えられたからである。 (ティエルシュ証言,p. 190、「」内以外は要約) ティエルシュ教授の研究対象の一つに、アミノプテリン(葉酸拮抗物質)がある。 同薬剤の研究によって、ビタミンあるいは葉酸拮抗物質が、胎児に悪影響を及ぼす危険性があることが分かった。 そして、アミノプテリンは、サリドマイドと同じくグルタミン酸誘導体である。 なお同教授は、グリュネンタール社の動物試験では安全性が完全に確立されていたとは言えないとしている。 つまり、妊婦や胎児に対する影響が調査されていないことのほかに、慢性毒性試験が行われていないなど、いくつかの項目が抜け落ちていると指摘している。 (ティエルシュ証言,pp. (現在の詳細ページ数、20数ページ) 2)サリドマイド事件に関する全ページをまとめて電子出版しています。 (アマゾンKindle版) 『サリドマイド事件(第4版)』 世界最大の薬害 日本の場合はどうだったのか www. amazon. Web管理人 山本明正(やまもと・あきまさ) 1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師) 1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社 入社 2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職 2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム) 2020年4月(令和2)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム).

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