王家の紋章 キャロル 出産。 流転の姫君31

王家の紋章62巻 感想あらすじネタバレあり。キャロル殺害計画

王家の紋章 キャロル 出産

3つどもえ4つどもえの諸国の不穏な動きも一時休止。 王妃キャロルがめでたく男子を出産したところから始まって・・・すぐ終わる?! アイシス メンフィス アイシス キャロル メンフィス 愛するメンフィス、そなたは私のもの・・・ わあー!姉上、何を・・・す・・る・・おのれえ・・・ これでメンフィスは永遠に私の・・も・の・・・誰にも・わたさ・・ない・・ キャー!!何と言う事!!メンフィス、しっかりして、死なないで、私を一人にしないで! キャロル・・我らの子を・・エジプトをた・の・・む・・ 王子の誕生に沸くテーベの宮殿に、嫉妬に狂って乗り込んで来たアイシスによって、メンフィスは愛妻と嫡男を残して死ぬ。 狂ったアイシスもメンフィスの剣によって命を落とす。 幸福の絶頂から突き落とされ、呆然とするキャロル。 メンフィスを守る事が出来なかったと、自分を責め、泣く事もできないでいる。 夫の葬儀のすべての儀式が終わろうとしている。 キャロル イズミル カプター ああ、棺に花を捧げたのは、この私だったのだ。 あなたを守りたかったのに・・。 ナイルの姫よ・・(何でお前がここにいる!!講和状態で葬儀に列席している、て事で。 ) アイシス様はあのような亡くなり方をなさいましたので、死後の王の世界を乱すやも しれませぬ。 アイシス様の魂から王を守るために、この呪術版を置きまする。 メンフィスの墓は封印され、すべての儀式は終わる。 まわりに指示されるままに、葬儀のためのむなしい日々を過ごして来た キャロルは、ふと大切な事を思い出す。 20世紀にアイシスがよみがえった事を。 あの女はメンフィスを求めている!そして父を、多くの人を殺したのは!! キャロル なぜアイシスがよみがえったの?! あ、呪術版!!あの時私が割ってしまった呪術版のせい? 彼女の魂は、20世紀にまださまよっているのかしら・・・・ライアン兄さん!! もしメンフィスの遺体が見つかったとしたら・・・今度は兄さんがねらわれるかもしれない。 20世紀に戻らなくては!・・・でも、どうやって?! その時、キャロルはライアンの叫びを聴く。 はじかれたように神殿の中に走っていくキャロル。 後を追うイズミル,ルカ,ウナス (ワラワラ)。 キャロルは神殿の奥にある神剣(どんなモノだ?!)をつかむ。 と同時に4人は闇に呑み込まれる。 ********** ここは20世紀、ブラウン教授の研究室。 盗まれたミイラが戻ってきたという知らせにやって来たライアン,ブラウン教授,ジミー。 その目の前に、無惨な助手の死体がころがっている。 そして血に汚れた手でアイシスが立っている。 ライアン アイシス ライアン アイシス キャロル イズミル ウナス ルカ キャロル アイシス キャロル イズミル アイシス ア、アイシス、これはお前が・・・なぜだ!! ホホホ・・・私の愛するメンフィス・・誰にも渡さぬ!! お前達はすべて私の呪いを受けて死ぬのだ!! くっ!お前こそ!(銃を取り、アイシスを撃つが、アイシスは倒れない。 不敵に笑うのみ。 ) 何!どういう事だ?! ホホホ・・・呪術版が割れたのだ!!誰にもじゃまされぬわ! お待ちなさい!!(セラムンうさぎちゃん風に)ほろびるのはあなたよ! なんだ、ここは!!いったいどうしたというんだ?! ア、アイシス様、なぜ亡くなったアイシス様がここにおられるのだ?! 気を付けろ!あれはこの世のものではない!! な・なんであなた達までいるのよ?!まあどうでもいいわ。 あれはアイシスの盲執が生み出した化け物よ!! アイシス!!我が夫メンフィスを殺し、ミタムン王女を殺し・・私のパパを殺したのもあなたね。 かわいそうな人とも思ったけど、許さない!! あなたには多くの人の命を奪った罪、つぐなってもらうわ!! 目障りな女、お前さえいなければメンフィスと幸せになれたのに・・・ 違うわ!あなたのように自分勝手な人に、メンフィスを幸せにする事は出来ない!! やはりミタムンを殺したのはお前か、それでは私にとっても敵と言う事だな! メンフィスを私から奪う者はすべて死ぬのだあ! キャロルは剣を構えるが、アイシスにはね返される。 イズミル,ルカ,ウナスがキャロルを取り囲む。 アイシスがおおいかぶさって来るが、イズミル、キャロルの剣を持つ手を握り、体を支える。 二人が持つ剣はアイシスを貫く。 アイシス ぎゃー!わ、私がほろびるというのか、私の美しい体が・・・メンフィスといたいだけなのに・・・ アムドゥアトの神よ、力を・・・いや・・じゃ・・・ アイシスの体はもとのミイラと化す。 キャロル、ライアンのライターで火をつける。 たちまち燃え上がり、 やがて灰となって散る。 (>おい、火事になるじゃないか!) キャロル、力が抜けたように座り込んでいたが、やがて静かに立ち上がろうとする。 イズミル、手を貸す。 メンフィスの棺に歩み寄り、横たわるミイラをいとしそうにふれる。 そばにあったハサミを手に取り、自分の髪の一房を切り取り、ミイラのそばに置く。 沈黙を破るように、ライアンが言葉を絞り出す。 ライアン ジミー キャロル ブラウン ジミー キャロル ライアン ブラウン ジミー キャロル ライアン キャロル ブラウン イズミル キャロル キャロル、キャロルなのか・・・ キャロル、今までいったいどこにいたんだ!その格好は?その人たちは誰?! (ライアン,ジミー,ブラウン教授を静かに見渡して)ライアン兄さん、ジミー、教授、 心配かけました。 私は3000年前の古代エジプトにいたのです。 なんと!! どういう事だい?タイムスリップしていたとでも言うのかい?! そうです。 彼らは・・・・ヒッタイトの王子イズミル、そしてルカとウナス・・・ そして、このミイラは私の夫だった人、エジプト王メンフィス。 キャロル、とっても信じられない・・・・ キャロル、古代エジプトはどうだったい?我々の研究の通りか?(>おいおい) 夫って・・・!キャロル、きれいすぎて、大人っぽくて、別の人みたいだよ・・・ (かすかにほほえんで)兄さん、お願いがあります。 どうか、メンフィスを・・・私の夫の遺体を 王家の谷に戻して。 誰も入れぬよう、もう一度封印して。 どうして・・・(まっすぐに自分をみつめるキャロルを見て)ああ、何だかよくわからないが、 いいだろう・・・・そうだ、キャロル、お母さんを呼ぶ。 すっかり弱って病気がちなんだ。 ああ、ママ!・・・(キャロルの目からひとすじの涙) そこのお方!(イズミルをつかまえて)ヒッタイトの王子と申されたな、ちょっと話を聞かせて・・・ ・・・(白目) ・・・ブラウン教授ったら・・・あ、兄さん、もうひとつお願い、お医者様を呼んで! この人の肩の銃弾を摘出してあげてほしいの。 時を越えて兄さんが撃った弾を・・。 これは、私と会いさえしなければ負わなかった傷だから。 医師達が駆けつけ、 たちまち研究室は臨時の手術室と化す。 そうこうしているうちに、連絡を受けたキャロルの母,ロディ,そしてジェットヘリでアブドラがやって来る。 母 キャロル ウナス ルカ 母 キャロル 母 キャロル アブドラ キャロル イズミル ライアン キャロル ライアン アブドラ キャロル イズミル ウナス キャロル イズミル キャロル ブラウン ジミー アブドラ ウナス ルカ イズミル 母 ロディ イズミル キャロル 母 キャロル 母 キャロル キャロル、キャロルなの?!おお、神様、感謝します! ママ、ママ、会いたかった、ずっと・・・(キャロル、泣き出す。 母に抱きしめられ、だんだんと声を 上げて号泣しはじめる。 ) キャロル様が泣いておられる・・。 メンフィス様が崩御されてから、ずっとこらえて いらっしゃったのに・・。 あれがナイルの姫の母上、同じ髪、同じ目の色をなさっている・・・。 (髪をなでながら)キャロル、つらい事があったのね。 もういいのよ、ママがついている。 あ、赤ちゃんは無事に産まれたの? (だんだんと落ち着きを取り戻して)いいえ、・・・ヒック・・・あの子を守れなかったの・・ あの女、アイシスに・・ヒック・・・死海に突き落とされて・・・。 でもママ、私にはあの後生まれたぼうやがいるの。 私、ママになったのよ。 まあ、なんて事でしょ!あのおてんばなキャロルが・・・会わせてちょうだい、おばあちゃまに! ・・・ごめんなさい、ダメなの・・・だって3000年前の古代エジプトにおいてきちゃったから。 (母、目を丸くしている。 キャロル、涙をふき、アブドラの方を向き) アブドラ・・・あなたに言わねばならない事が・・・。 あの時、わたしのおなかにいたのは、夫メンフィスの子。 あなたは、記憶の無い私の名誉を守ってくれたのね。 ありがとう。 (一同、はっとしてアブドラを見る) いや、キャロル・・・やっぱり君は王家の呪いなんかじゃなく、王の愛を受けたんだな。 (治療が始まったのに、まだブラウン教授の質問責めにあっているイズミルをはっと見て) もしかして・・イズミル王子、あの時私をわざと逃がしてくれたの? 王に捕まって殺されるのを恐れて・・・・ありがとう・・・。 ナイルの姫、そなたの口からそのような言葉を聞けるとは・・・ キャロルに恩がある方だったのか?申し訳ない事を・・・ いいえ、謝る事ないの。 私、この人に何度も拉致されて、ムチで打たれて、肩を刀で刺して、 縛られたまんま海に落ちて・・・それからそれから・・・ 何!私の大事な妹に!!キャロル、今度何かされたらまた私を呼べ!!今度は・・ バズーカでも用意しておきますか? フフフ、アブドラ、あなたが言ったらしゃれにならないわ。 ) ナイルの姫の兄上は、なんだかメンフィスと似ておるな。 あ、私もそのように! え〜!私、ブラザーコンプレックスなんてなかったわよう! (医者の様子を見ながら)なるほど、このような道具を使うのか・・・イタ!・・くない?ナゼだ! 動かないで、局所麻酔よ。 あなたが見ていたいだろうと思ったから・・。 私も、お医者様に治してもらった。 ライオンの噛み傷もこんな風に治療を受けたの。 不思議でも何でもないの。 ・・・・私は、神の娘、ナイルの娘なんかじゃない・・・・ 未来を見通せるわけじゃない・・・ただ知っていただけ。 私はただのキャロル・リードなの・・。 わかってもらえなくて、辛かった・・・。 (一同沈黙) いや、勉強熱心な良い生徒じゃったぞ、わしの自慢の愛弟子じゃ。 そうだよ、キャロルはいつも歴史、考古学はトップだった。 相手が誰であろうとものおじしない姿は、誇り高く、魅力的だった。 キャロル様はわれら家臣の命までも大切にしてくださいました。 そのおやさしい姿に、我らは命にかけてもキャロル様を守ろうと心に誓いました。 人の心に灯をともすような微笑みをメンフィスは愛した。 私はそれを渇望した・・。 (キャロル、真っ赤になる) あ、あたりまえです、キャロルはリード家の・・・、私の自慢の娘です!! そうだ、僕たちのかわいい妹だ!(>ごめんよ、これだけしかせりふなくって・・・) (キャロル、母と目を合わせ、そしてゆっくりそれぞれの顔をみわたしながら、微笑む。 その目から、涙がぽとぽと落ちる。 ) ようやく感情が出せるようになったようだな。 (泣き笑いしながら)みんなに会えてよかった・・・。 メンフィスが死んで、もうなにもかも 終わった、って、思ってた・・・・もう大丈夫、元気になれた。 キャロル、あなた、またどこかに行ってしまうの? (凛とした表情で)ええ、約束したから。 エジプトと私たちの子を守っていくって。 そんな・・・私のもとにせっかく帰って来たのに・・・・いやよ、みんな止めて・・・! ママ、ごめんなさい。 でも、私はどこにいたって、大好きなママの娘だって事、忘れない。 すてきな兄さん達の妹だって事を誇りに思ってる。 イズミルの肩から無事弾が摘出され、治療が終わる。 イズミルは弾を手に取り、しげしげと見つめている。 「お薬は一日三回食後に」と、医師から薬と抜糸の注意を聞いていると、遠くからキャロル、イズミルらを呼ぶ声が聞こえてくる。 キャロル イズミル ジミー キャロル ジミー キャロル 母 イズミル ライアン キャロル 行かなくっちゃ。 ああ、我らを呼んでいる。 キャロル、これ・・・・(欠けた粘土板を持ってきて)これは君が? まあ・・・ちゃんと届いていたのね・・ふふ、欠けちゃってるけど・・ キャロル、ずっとこんな風に僕たちにメッセージを届けてくれないか? そしたら僕は君の足跡をたどれるから・・。 ええ、わかったわ。 あなたなら読んでくれる。 (真っ赤になって)ママ、ちょっと、か・・勝手に決めつけないでようー! 彼らを呼ぶ声が強くなる。 古代エジプトの兵士の幻がキャロル達を取り囲んでゆく。 キャロル、万感の思いを込めて家族を、一同を見渡す。 キャロル 一同 ライアン ママ・・・みんな・・・どこにいても私はみんなの事を愛しているわ。 どうか元気で!! (口々に)キャロル!! ・・・イズミル、妹を・・キャロルを頼む・・ 瞬間、キャロル,イズミル達の目には、ライアンに重なってメンフィスの姿が見えた。 キャロルが手を伸ばそうとしたその時、四人は暗闇につつまれた・・・・。 ********** 一年後、キャロルは幼いメンフィス二世の共同統治者として、イムホテップと共にエジプトを統治している。 王が崩御し、ヒッタイト王に即位したイズミルより、キャロルとの結婚の申し込みがある。 アッシリアの不穏な動きをヒッタイトが牽制しくれている事情もあり、 メンフィス二世が15歳(成年と認められる)で独り立ちするまでエジプトに留まるという条件で、家臣一同賛成する。 ためらうキャロルに、「それとも、私と結婚しますか?」、と言ってイムホテップが後押しをする。 そして婚儀のため、ヒッタイトより、イズミル一行が到着する。 キャロル イズミル キャロル イズミル キャロル イズミル キャロル イズミル 本当にエジプトを離れなくてもいいのですか? ああ、かまわぬ。 気が向いた時にでも、来ればよい。 私は・・・メンフィスの事を決して忘れられないと思います。 かまわぬ。 彼の事は私も忘れない。 良き好敵手だった。 あなたは・・・私を・・・愛しているのですか? ああ、天にも地にも、私が愛するのは、あなただけだ。 !!・・・杏の花が咲く頃に、行ってみたいわ・・・。 ・・・私の好きな花だ・・・・歓迎するよ。 イズミルとキャロルの間には、一人の王女と、二人の王子が生まれる。 王女はメンフィス二世と結婚し、息子が15歳になったのを機に、キャロルは政治より身を引き、ヒッタイトの首都ハットウシャに移る。 そして、歳月は流れる・・・。 イズミル キャロル イズミル キャロル イズミル やはり・・・・行くのか? ・・・ええ・・・行かせてください・・・帰りたいの、ナイルへ・・・。 あれほどの医者がいて、そなたを癒せないとは!! ・・・私は精一杯・・・生きました・・・ 命の終わりに・・・・ナイルへ・・・どうか、帰らせて・・・。 ・・・今まで・・ありがとう・・・幸せでした・・・・。 キャロル・・・・・そなたを得て、私も幸せだった・・・・・。 王子よ、私に代わり、母をエジプトへ。 兄弟たちと共に、母をナイルに帰してやってくれ・・・。 200X年、ナイル川に古代エジプトの格好をした中年女性が沈んでいる、という情報を得たライアン・リードは、 それが妹と確信し、現場に急行する。 微笑むような死に顔に、「キャロル、精一杯生きたんだな。 幸せだったか?」と問う。 完 つけたしのつけたし おばかなお話に最後までつきあってくださって、ありがとうございます。 いまいちまじめ路線にもお笑い路線にもいけない、中途半端な文になってしまいました。 (まあ、自分らしいか・・・。 ) メンフィスには悪いが、運命通り、姉もろとも死んでもらいました。 アイシスは同情する点はあっても、やっぱり罪はきっちり償ってもらいました。 キャロルには、一番彼女にとって辛かったまわりからの「誤解」からの解放、 「神の娘」でなくっても、みんなは自分の事を愛してくれているのだ、と、わからせてあげたかったのです。 今回の参考文献(・・・て、ほどでもないですが。 「インカ帝国のなぞ」「ツタンカーメンの呪い」「トロイの木馬」・・・・。 小学校時代に読んでいた本です。 他にも「埋もれた日本」「象の来た道」など、けっこう読みました。 私が「王家の紋章」にはまったのは、きっとこの本たちの思い出のためでしょう。 たかし・よいち氏の本を読んでその道に進んだ人も、きっといるでしょう。 「王家の紋章」を読んで考古学に進んだ方もいるくらいだし。 今回子供の時に読んだ本ではなく、1986年出版の 「少年王ツタンカーメン」(大日本図書出版) を読みました。 (大人向けを読む根性も時間もないので・・・なさけな〜。 ) ツタンカーメン(18王朝在位)の時代は、政治も宗教もとんでもない様相を呈していました。 その政治のゴタゴタで彼は暗殺されたとも言われています。 残された王妃のアンケセナーメンは、運命に弄ばれた女性です。 彼女はもともとツタンカーメンの兄にあたるアケナトン(宗教改革王)の第3王女でしかも王妃です。 弟セメンカクラの妃にも後ほどなったようですが、二人が亡くなって、わずか9歳のツタンカーメンが即位すると、 12歳で彼の王妃になりました。 たとえまわりに決められた結婚であっても、わずかな年月であっても、 ツタンカーメンとアンケセナーメンは、愛情にみちた生活を送ったようです。 その様子は彫刻や絵として残っていますが、 何よりツタンカーメンの棺に捧げられた花束が、彼らの愛を物語っています。 (「王家の紋章」の冒頭にこのエピソードは使われていますよね。 ) ツタンカーメンが18歳で亡くなると、彼の小さい時に政治の実権を握っていた大臣アイが 彼女に結婚をせまります。 (イムヘホップが求婚するようなものですな。 ) 当時彼女は21歳、ツタンカーメンとの間の王女二人も相継いで亡くしています。 40歳も年上の人との結婚を嫌い、彼女はヒッタイトの王子を婿に迎えようとします。 が、アイの妨害に合い、泣く泣くアイと結婚する事となり、アイが王位につきました。 ただし、それも5年で亡くなり、また25歳で未亡人になります。 その後は軍司令官のホレンヘブ(ミヌーエだなっ)が別の王女と結婚し、王位につきます。 彼女のその後はわかっていませんし、墓もミイラもみつかっていません。 キャロルは王家の血をひきませんから、ホントは王位継承権は無いと思うのですが、 それだとお話が続かないので、仮に王位継承権があったら、メンフィス・アイシス亡き後、 アンケセナーメンのようになる可能性はあるでしょう。 イムヘホップとミユーエがホントにに忠臣なので、それはなさそうですが、(あ、カプターがいた!) 念のためにキャロルに王子を産んでもらいました。 (笑) ラストは大好きな塩野 七生の本からヒントを得ました。 「王家の紋章」をざーっと読んでまず思い出したのが、塩野氏のエッセイ集 「イタリア遺聞」から、「ハレムのフランス女」(新潮文庫)です。 フランス貴族の娘で、ナポレオン妃ジョセフィーヌの従姉妹にあたるエメ・ドュブク・ド・リビュリ。 海賊に捕らえられ、スルタン・アブドゥール・ハーミッド一世のハレムに献上された実在の人物のお話です。 金髪で快活な性格の美少女を59歳(!!)のスルタンは、ことのほか可愛がり、 翌年彼女は男子を出産します。 (何もヨーロッパ人がハレムに入る事はめずらしくなく、軍人などはすべてキリスト教徒の子弟だった。 ) 彼女がトルコの近代化のひとつの原動力になったのは、間違いないでしょう。 彼女の死に際し、子であるスルタンは母の最後の望みをかなえるべく、 嵐の夜、金角湾対岸にあるキリスト教の修道院に、ひそかに使いを出します。 連れてこられた修道院長は、彼女の最後の懺悔を聞きます。 これはイスラム教国の皇帝であるスルタンにとって、非常に勇気ある行動なのです。 彼は彼で母の臨終の苦しみを少しでもやわらげようと、アラーの神に祈ります。 (エエ話やぁ〜涙) つまり、彼女はもとの世界(キリスト教)に還っていったわけですよね。 それで、キャロルもメンフィスがいない今、もとの世界に返してあげたい、と思ったのです。 「私はエジプトの土になる」なんて言っていたじゃない、と突っ込まれそうですが、 それはメンフィスあっての事だし、どうせ時代が違うだけだし・・(いいかげん)。 彼女の子供達は、断腸の思いで愛する母キャロルをナイルに流したんですよ、きっと。 これを書くにあたって、某巨大掲示板意外、関連HPは閲覧しませんでした。 他の方の文を読んだら、ぜえったい書けなくなると思ったので。 ま、これからヒマを見て関連HPの波乗りでもしよっかな、と思っています。 最後に、私にどんっ、とコミックス44巻お貸し下さったSさま、ありがとうございましたあ!!.

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流転の姫君31

王家の紋章 キャロル 出産

妄想の泉 「王家の紋章」の二次創作小説です。 続きは下のフォームから投稿 [48] 王妃の帰還 わんわん - 2003年04月14日 月 01時33分 「なんですって!?キャロル様があなた達と一緒だというのですか?どうして・・・?」 「そんなこと言われたって・・・・俺達・・・・ほらこの間物凄い流れ星が落ちたでしょう。 それを見に行って・・・そしたら黄金のお姫様が・・・・」 「そうそう、俺達だって分けわかんないですよ。 」 ナフテラもハサンたちも頭を抱えていた。 カーフラを第二の妃にしたと思い込んで悲しみのあまりナイルに戻ってしまった、キャロルがハサン達に見つけられたと言うのだ。 「でも、あなた達どうしてすぐ連れてこないのです。 ?王がどれほど心配なさっているか・・・・・」 ハサンとカレブは顔を見合わせて言いにくそうに切り出した。 「そうは言ってもねえ・・・・お姫様、今非常にまずい状態なんですよ。 」 「まずい・・・・?」 留守を預かっていたナフテラは声をひそめた。 「あのう・・・・ナフテラさん・・・・お姫様は今・・・・その・・・・記憶を失っていましてねえ・・・・メンフィス様のことまるで憶えてなくて・・・そのう・・・・」 ナフテラの顔色が変わった。 「メンフィス王のことだけじゃなくて、俺達のこともナフテラさんやウナス隊長やほかの人のこともなんですけどねえ・・・・」 ナフテラは眩暈がするのをようやく抑えて、何か憶えていることはないか訊ねた。 するとハサンたちは・・・ 「なんか意味不明な事ばっか言うんですよ、飛行機とかニュースとか空港とか まるで訳が分からなくて・・・・」 ハサンのあとに続いてカレブも言った。 「ナイルの姫の話で俺達が分かったのは、『兄さんや母が心配しているから無事をなんとかして知らせたい』っていう言葉だけなんですよ。 」 それを聞くとナフテラはため息をついた。 そんなナフテラを上目づかいに見ながらハサンは続けた。 「どうもねえ・・・・お姫様メンフィス様と会う前の事は憶えているらしいんですよ。 」 「流れ星の落ちた辺りに行ってみたら見慣れない衣装を着たお姫様が倒れていて・・意識を取り戻して最初に言った言葉が『あなた達誰・・・?』だもんなホント泣けてくるよ・・・」 まさにトホホの様子の二人にナフテラはそれでも気力を振り絞って きっと宮殿に戻ってメンフィス様にお会いになれば記憶も戻りましょうと二人に促した。 しかし二人はまたもや顔を見合わせてナフテラにまだメンフィスには会わせないほうがいいのでは・・・と応えた。 「実はねえ、お姫様さらにまずいことに・・・・いや、こんな状態じゃなきゃめでたいことなんだろうけど・・・そんとき医者にみせたらどうも身ごもっているらしいって言うんですよ。 」 確かに・・・・その危険はあるだろう。 しかし今はバビロニアとの戦が終わったばかりの政情不安なとき、そんな時に身篭った王妃を城外に置いておくわけにはいかない。 ナフテラはただちに兵をキャロルがいるというテーベの外れの宿に向かわせた。 [49] 王妃の帰還 2 わんわん - 2003年04月14日 月 01時34分 キャロルはテーベの外れの宿でハサンたちを待っていた。 実の所ここが古代だとはまだ信じられないのだ。 キャロルは今朝からの事を考えていた。 ・・・・ 「あの誘拐事件から兄さんが助けてくれて、その後すぐ妊娠していることが判ったのよね。 ・・・・アフマドは自分の子供だって言ったけど・・・どうしても信じられなくて、結局エジプトを離れて一人になって記憶を失った日々の事を考えたくて反対を押し切って飛行機に乗り込んでしまった。 ・・・兄さん、ママきっと心配しているわね。 何とかして知らせたい。 ここが古代だなんて・・・・きっと冗談よね。 そのうちドッキリカメラかなんかのネタ晴らしがきっと・・・笑えない冗談よね。 」 考えていると突如、馬のいななきと蹄の音が聞こえてきて、おお、まさに古代の兵士たちが荒荒しく部屋に入ってきた。 「・・・・・・・!」 「キャロル様!! ご無事だったのですね!!ようございました。 さあ、戻りましょう。 王宮でメンフィス様の御帰りをお待ちするのです。 お腹の和子様と一緒に・・・・さあ・・」 しかし、キャロルはそんなナフテラや兵士達をぼんやりと、いやあっけにとられて見つめている。 「あのう・・・・あなた達は?メンフィスって誰?? 、ハサン!!いるんでしょ!?もういい加減にネタ晴らししてよ!!これ映画のロケかなんかなんでしょ!? ・・・・お願いだから、兄さんに連絡してよ。 飛行機が落ちたってのにこんなの笑えないわよ。 ねえ、ハサン、カレブお願いよ。 」 かげで聞いていたハサン達は思わずため息をついた。 「まるで分かちゃいないみたいだな・・・・」「ああ・・・」 「キャロル様・・・・」キャロルの目の前でナフテラの目から涙が盛り上がってきた。 唖然をするキャロルの手を取り「本当に、本当に憶えていないのですか・・・?メンフィス様の事も・・・・」 しかし、キャロルのこたえはナフテラをさらに打ち砕いた 「あのね・・・えっと・・・ナフテラさん・・よね。 そのメンフィスっていったい・・・?」 「あんたの夫だよ。 そしてあんたの子供の父親。 本当に忘れちまったのかい?・・・かぁ、情けねえ。 」 「ハサン!」 「とにかくここは危険なんだってよ。 あんたは知らないだろうが今戦が終わったばかりであんたを狙っている奴ラがうろうろしてる。 あんたとあんたの中にいるメンフィス王の世継を狙うヤツラだ。 」 「世継・・・?この子が?狙ってる・・・・」 「とにかく来るんだよ。 」 ハサンや兵士達は強引にキャロルの手を引こうとした。 だが手を掴まれたとき誘拐されたときの恐怖が蘇り思わず手をふりほどくと一目散に逃げ出した。 [50] 王妃の帰還 3 わんわん - 2003年04月14日 月 01時35分 「おお〜い待てよ!!! 危ねえじゃねえか。 死んじまうよ。 」 追いかけていったハサンは捕まえた時キャロルが酷く怯えているのに気づいた。 (何かあったんだな。 ・・・・・何かよほど恐い目に・・・・・・) そう、思ったハサンはゆっくりとキャロルの手をほどくと一つの木箱を差し出した。 「これは、あんたを見つけた時に一緒に見つけたんだけど何が入っているか分かるかい?」 「・・・・・・・・何も入ってないわよ。 それ、オルゴールよ。 」 「オルゴール??」 「曲は『花』兄さんがトウキョーに行ったときにくれたお土産なの。 少し表情が柔らかくなったのを見てハサンは話し出した。 キャロルとメンフィスがとても愛し合っていたこと、自分達との八トゥサの出会いのこと、アッシリアに連れて行かれて、アルゴン王から身を守ろうとして毒の花を飲みこんだこと、バビロンの塔を破壊したこと・・・・ 聞き終わったキャロルは、はあぁ〜、と深いため息をついた。 「私ってここでは何かすごいトラブル・メーカーね。 ・・・・とても信じられないけど・・・・・」 「信じられないのは、今のあんたの方だよ。 あんなに愛してたメンフィス様のことまですっかり忘れちまうなんて・・・・」 気性の激しいメンフィスがこれを知ったら・・・・・思わず背筋の寒くなるハサンであった。 やっと追いついて、かげから遠巻きにしていたナフテラや兵士達も同じ気持ちだった。 「あのよ・・・あんたを診た医者が言ってたけど・・・・あんた、子供が出来てんだって?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「知って・・・たのか?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「知って・・・たんだな・・・・・」 沈みこむキャロルを立たせるとあえて、元気良く、話かけた。 「メンフィス王、喜ぶぜ。 」 「喜ぶ?メンフィス王・・・は、私に子供が出来ると喜ぶの?? 」 「当然だぜ。 戦に勝利して戻ると妃に子供が出来てた。 ・・・帰ったらエライ騒ぎになるぜ。 」 「エライ騒ぎ??」まだ状況が飲みこめていないキャロルであったが迎えに来たナフテラに促されおとなしく王宮に戻っていった。 [51] 王妃の帰還 4 わんわん - 2003年04月14日 月 01時35分 宮殿に戻ったキャロルは不思議そうに辺りを見回した。 何か、思い出せるのでは、と、思ったが見覚えがあると感じるモノは何一つなかった。 ただ、見知らぬ場所に連れてこられて途方にくれる自分があるばかりだった。 部屋に案内されてもただ、ぼんやりとしているばかりだった。 「キャロル様。 キャロル様。 御召し換えを」 「え・・・着替えるの?」 「ええ、それに湯浴みを、埃だらけでございますもの。 さあ・・ もはや、飛行機事故からいろんな事がありすぎて 言い返す気力も無くなっていたキャロルは侍女達になされるがまま、湯浴みされ、着替えをさせられた。 「ま、待って、それ、何処に持ってくの!?返して!! 」 ナフテラたちが取り上げて処分しようとした これまで着ていた服やオルゴールを何とか返してもらうと一人になってからそっとオルゴールを開けた。 『花』ナイルではないが、川とその周りに住む人の営みを称える曲 それは、ライアンがほんの気まぐれで買った。 安い土産物だった。 しかし、ひとりぼっちになった今、キャロルの心を最も慰める。 そのメロディーをキャロルは飽くことなく聞きつづけていた。 メンフィスがキャロルが戻ってきた知らせを受けたのはアルバの谷でのことだった。 勝利に沸く兵達はその知らせに止むことなく歓声をあげた。 未だ彼女にはここが古代であるという、根本的な自覚が無いのだ。 まして、自分が王妃で、おまけに、次の王となる子を妊娠しているなどと、いうことは・・・・ メンフィスの姿を見ても何の感情も涌いてこないと言われ、ハサンもナフテラもこの状態で、二人を会わせたら、どんな事がおきるのだろうと恐ろしさに身の竦む思いであった。 しかし、さすがに記憶を亡くしているとまでは、伝えらえれなかった。 メンフィスの喜びに満ちた表情とは裏腹にキャロルが彼を見る目はどこか虚ろで不思議な物でも見るような感じであった。 メンフィスには訳が分からなかった。 「あ、あのう・・・・メンフィス王・・・・・」 言いにくそうにナフテラが切り出すのを皆、びくびくしながら見ていた。 中には被害が及ぶのを恐れてその場から、少しでも遠くへ行こうとする者さえいた。 「なんだと・・・・・?」 信じられないその話に、メンフィスはもう一度 妃の方を見た。 キャロルは相変わらず首をかしげながら自分を見ている。 「本当なのだな・・・・・」 「くっ・・・!!」 「キャロルっ!!! 私が!この私が分からんのか!?」 メンフィスは思わずキャロルの細い肩を掴み、力まかせに揺さぶった。 しかし、メンフィスの行為は妃を怯えさせた以外なんの効果も顕さなかった。 怯えて、肩で息をするキャロルを庇うようにナフテラがひれ伏すと、おそるおそるキャロルが身篭っている事を王に告げた。 「わたしの・・・・?」 「・・・・・そう、思うわ。 記憶の無い、空白の日々の間のことだし・・・あの・・・・思い出せないけど・・・・たぶん・・・・・・」 途方にくれた。 ・・・戸惑うような声だった。 「そなたはどうしたいのだ・・・・?」 メンフィスは、漸く そう問い掛けた。 何かが壊れてしまったのだろうか・・・? 自分の・・・・エジプト王の初めての子だというのに・・・・何故こんなことを訊かねばならないのか・・・・自問しながら、キャロルの答えを待つ時間 それは、ほんの数秒だったのかもしれない。 しかし、メンフィスにとっても、周りで、見守る人々にとっても遥かに長い時に感じられた。 「・・・・・・わ、わたし・・わたしは・・・・」 「・・・・・産みたいわ・・・・ダメかしら・・・・?」 そのこたえに周囲は胸をなで下ろし、メンフィスはきつく、キャロルを抱きしめた。 「私がだめだ、などと言うわけがなかろう!! 産んでくれ!私の世継を!エジプト王、メンフィスの初めての子を・・・・!!」 その夜の凱旋祝いの宴は、王妃の懐妊祝いも加わり、否が応にも賑わいをみせた。 メンフィスは喜びを隠し切れずに近づいてくる。 留守を預かる者達は数分後に必ず訪れるであろう嵐の予感に怯えていた。 [52] 王妃の帰還 5 わんわん - 2003年04月14日 月 01時40分 嵐のような、興奮に包まれた 凱旋の宴の日から、1週間 ・・・・・・ 王宮は一見何事もないように日々は過ぎていった。 しかし、実の所兵士達も侍女達もビクビクし通しだった。 それというのも・・・・ 「あのう、・・・・ナフテラ様。 王妃様はまだ、何も・・・・?」 「ええ、まだ何も、メンフィス様のこと、まるで思い出せないらしくて・・・」 そう、キャロルが未だ、記憶を取り戻せずにいる事がメンフィスの勘気に触っているのだ。 周り中の壷や甕、家具の中で無傷でいる物は殆どなく、中には ささいな失敗を理由に何日も立ち上がれないほどの怪我を負わされた者さえいた。 「このままでは、和子様の誕生祝いを廃墟の中でやることに・・・・」 「全く・・・・」 「何とかして、早く思い出していただかないことには・・・・新しい調度を入れてもまたすぐ壊されてしまう。 ・・・・・」 「とにかく、まずはお身体をいとい、無事に御身二つになっていただかなくては・・・・」 「さよう、さよう、」 その頃キャロルは裏庭のあずまやのベンチに腰掛けながら、いつまでも空白の日々について考えていた。 「キャロル様、ここにいましたか?今度、おそばにあがります新しい侍女のテティでございます。 」 その侍女はまだ、年若く、キャロルと同じ位の年頃にみえた。 ふっくらした顔立ちに元気そうな、褐色の肌をしたその侍女はキャロルがかつてカイロ学園にいたときの友達を思いおこさせた。 「よろしくね、テティ」 「は、はい!こちらこそ、よろしくお願いします。 」 王妃に声をかけられすっかりあがってしまったテティだったが、何日もしないうちに身分や主従の関係を越えて二人はすっかり息統合してしまった。 テティがキャロル付きの侍女になって、はや、二ヶ月がすぎた。 相変らず、メンフィスとの日々は思い出せないままではあったが、その間にもキャロルのお腹はじょじょに目立ちはじめ、メンフィスも少しづつ、落ち着きを取り戻していった。 記憶が無いことを除けば、以前の元気だったころの妃がそこにいるし、なにより、もうすぐ子供まで生まれるという、事実がメンフィスの荒れ狂っていた心を静めていった。 そんな時、じつにタイムリーヒットというべき出来事があった。 それは、ちょうどメンフィス達が国事を終え、二人があずまやで午後の休息をとっていたときだった。 「あ・・・・・」 「どうした?キャロル?」 「う・・・動いた・・・今、赤ちゃんが動いたの!」 「なに・・・?」 思わずキャロルのお腹に手を当てるメンフィス・・・・ 「う・・・動かぬぞ!」 「なに言ってるの?そこじゃないわ。 もっと、下よ。 」 自らメンフィスの手を持ち胎児の場所に導いた。 「む!」メンフィスにも感じられた吾が子の確かな息遣い。 そして、数ヶ月ぶりに触れる妃の肌の感触・・・・・一瞬、頭が真っ白になり、理性を失う感覚に囚われた。 あとはものも言わず、妃の小さな身体をベンチの上に押し倒すとその上に覆いかぶさった。 その深いくちづけと愛撫にキャロルも、徐々に甘く痺れるような感覚に襲われ、気がつくと互いに何度も求め合っていた。 どれくらいの時間がたったのだろう。 辺りはすっかり薄暗くなっていた。 「あんなところで・・・・私ったら・・・・どうしよう・・・・誰かに見られたかしら・・・・?」 すっかりうろたえるキャロルを見てメンフィスは吹き出しそうになった。 「そなたは、堂々としておればよい。 堂々とな・・・・」 バツが悪そうにうなだれるキャロルとは対照的に その夜の宴でメンフィスはいつになく上機嫌であった。 あずまやの一件から数日が過ぎた。 あれからずっとキャロルは落ち込んだままだ。 当初、上機嫌だった メンフィスも次第に苛立ちを見せるようになった。 「姫様、姫様はメンフィス様がお嫌いなのですか?」 「そ・・・そんなことはないわ。 す、好きだと思うわ・・・多分・・・」 「多分・・・?」 「自分でもよく分からないの・・・それに・・・」 「それに・・・?」 「それに、この間のこと、宮殿中に知れ渡ってしまって・・・どうしたらいいのか・・・・みんな呆れてるでしょうね・・・ちょっとお腹を撫でられただけなのに・・・あんなに簡単に理性が飛んでしまうなんて・・・もう、自分で自分が信じられないわ。 」 「はぁ・・・でもね姫様、・・・皆が噂してるのは、そのことじゃなくて、・・いえ、それもありますが・・・あのメンフィス様が姫様がお帰りになってから、今までよく 我慢してたってことなんですけどね。 」 「そっ、そうなの!?」 「ええ、それに、その場を見なくても、メンフィス様が、ああ露骨に上機嫌では隠しておいても知れてしまいますわ。 」 テティの言葉にキャロルは真っ赤になった。 「恥ずかしいことなんか、少しもありませんわ。 メンフィス様のおっしゃる通り堂々としていればいいんですわ。 」 「そんなこと、言ったって・・・どんな、顔してメンフィスや皆に会えばいいのかわからないわ。 」 「・・・・・堂々としておればよいと申し聞かせた筈だが・・・・」 「えっ・・・・?」 声を掛けられるまで、二人は後ろにメンフィスが来ていることに気づかなかった。 「来い、キャロル。 」 メンフィスはテティを無視すると、キャロルを有無を言わさず抱きかかえると奥の部屋に連れこんだ。 「そなたは、私に抱かれるのが、いやなのか?」 「そんなことは・・・ないと・・・思うわ。 でも・・・」 「『でも』・・・・?」 「でも、以前のこと、未だに思い出せないし・・・・こんな状態でなし崩しみたいな関係はいや・・・ごめんなさい。 ・・・・こんなの・・・・我侭よね・・・」 済まなそうに視線を落とすキャロルをメンフィスは抱きしめた。 「そなたは私の妃だ。 私を拒否などさせぬ。 させぬぞ・・・・思い出せなければ、また、新たな関係を築けばよい。 私を拒むでない。 拒むでないぞ・・・」 新しい関係・・・・以前の記憶を取り戻そうとするあまり、そんなことにさえ 思いの及ばなかったキャロルであった。 「嫌か・・・・?」 「い、嫌じゃない!! 嫌じゃないから!! 」 そのときキャロルは記憶を失ったまま、古代に戻ってきて初めて自分は確かにメンフィスを愛していた。 愛し合っていたのだと確信し、熱い想いがこみ上げてきた。 二人はその夜、理性を失った結果ではなく、本当に心から愛し合った。 悲しい誤解から、別たれた二人は再び、互いの姿を探しあてた。 ・・・・・・ [53] 王妃の帰還 6 わんわん - 2003年04月14日 月 01時42分 あれから数ヶ月。 キャロルは臨月を迎えていた。 何故か記憶は戻らずじまいだったが、もう、二人にとって、そのことは問題ではなかった。 すっかり、整えられた、産屋、子供部屋、生まれてくる和子の為の様々な衣装・・・・・それらを見ると、キャロルの顔から自然に笑みがこぼれてくる。 民から贈られた、素朴な品々をことのほか、キャロルは気に入っていた。 「だってぇ、皆の気持ちが込められてるんだもの。 これなんか、あの子達が三日も掛かって作ってくれたんですって。 」 それは、ひどく、不恰好なお守りだった。 そんな物を・・・メンフィスは呆れたが、キャロルは嬉々としてそれらを産屋の周りに飾った。 キャロルが突然 破水して産屋に運び込まれたのはそれから三日後であった。 初産のせいか、なかなか、子は生まれず、酷い難産の末 キャロルが王子を出産したのは破水から60時間もたった後のことであった。 産屋に響き渡る泣き声を聞きながら、キャロルは意識が遠のくのを感じていた。 「メンフィス様・・・・王子様を抱いて差し上げないのですか・・・?」 「そんな気にはならん・・・・・くそう!!! ・・・・」 テティの腕の中で何も知らずに元気な泣き声をあげる王子をメンフィスはまだ見ることが出来なかった。 」 「・・・・・生まれたよ・・・王子様だった。 王にすごく似てて、素晴らしく元気で、・・・・瞳だけは、キャロル様と同じ蒼い色をしてた。 」 「えっ・・・?いつ?」 「だ・・だってよ・・・それにしちゃ、街んなか静かじゃないか!?盛り上がりが少ないぜ。 」 「・・・・・ひどい難産で・・・・まる三日近くかかって・・・・出産されてすぐ、危篤状態になられて・・・・もう・・・1週間になる・・・」 「それじゃあ・・・・まさか・・・・」 「分からない・・・・医師はもう、体力が持たないと言っている。 ・・・」 肩を落とすウナスを前に、ハサンとカレブは顔を見合わせた。 その頃、王宮では意識のないキャロルの傍らにメンフィスが寄り添っていた。 「キャロル、気づけ!気づいてくれ・・・・!!! 」 実のところメンフィスには自信がなかった。 ・・・・もし、このままキャロルがんだ時・・・・自分はそれでも王子を守り、愛しむことが出来るだろうか・・・?父が自分にしてくれたように・・・・ 意識のない 妃の傍らで王はいつまでも祈りつづけていた。 どのくらい時間がたったであろう。 部屋の扉をたたく音にメンフィスは、はっとした。 ナフテラと後ろに王子を抱いたテティが付き添っていた。 「お前達を呼んだ覚えはないぞ。 下がれ!!! 」 「・・・・あ、あの・・・侍医殿が、王子様を、母君に会わせるようにと・・」 「・・・せめて、一度・・・抱かせて差し上げるようにと・・・・姫様もそれを望んでいるでしょうし・・・・」 テティが 王子をキャロルの胸元に寝かせると力を失った腕を王子を包みこむように抱かせた。 何も知らぬ王子は母の白い胸元で、声を上げていたが、やがて、乳房から甘いものがあふれているのに気づき、夢中で吸い始めた。 気づいたナフテラとメンフィスが王子ひきはがそうとしたが、テティが制止した。 「どうか、このまま飲ませてあげて下さい。 王子様にとって、最初で最後のお母様のお乳かもしれませんもの。 」 テティは泣きながら二人に訴えた。 「姫様だって、こうやって和子様を抱いてお乳を上げたいんだと思います。 ・・・どうかもう少しこのまま、どうか・・・・・」 しゃくり上げるテティの泣き声と王子が乳を吸う音だけが室内に響いた。 もう、メンフィスには何も聞こえなかった。 なにも感じられなかった。 もし、あの時・・・・自分が出産に反対していたら・・・キャロルは自分の傍らで元気でいただろうか・・・・・? しかし、メンフィスはすぐにその考えを打ち消した。 たとえ反対したとしても、キャロルは産むと言い張っただろう。 そんな、強情なところも愛したのは他ならぬ自分自身だ。 次第にお腹の大きくなる妃を抱き、無事に元気な子を産むのだと毎夜のようにささやき続けたのも・・・・・ ・・・・・きっと、無事に子を産んでみせると申したではないか・・・・王子だけ無事でも、そなたがいなければ・・・・・そなたがいなければ・・・ 泣きじゃくっていたテティはキャロルの手が微かに王子を引き寄せているのに気づいた。 最初は見間違いかと思ったが、確かにキャロルの手が王子の髪を撫でていた。 「・・・・姫様・・・・?」 「・・・・姫様・・・・!?」 テティの声にナフテラが振り返るとゆっくりとキャロルの眼が開かれ、自分と同色の瞳に微笑みかけるのが見えた。 ナフテラは思わず叫んだ。 「メンフィス様!!! メンフィス様!!! キャロル様が・・・・・・!」 ナフテラの声にキャロルの方を見たメンフィスはキャロルが自分の名を呼ぶ声が確かに聞こえた。 そして・・・・ 「メンフィス・・・・ごめんなさい・・・・長い間・・・あなたのこと、忘れていて・・・・許して・・・・・」 「・・・・思い出したのか・・・・?私を・・・・」 「・・・・ええ、全部・・・・あなたがバビロンまで私を助けにきてくれたこと、船旅のこと、カーフラ姫のことを誤解して21世紀に戻ってしまったこと・・・ごめんなさい・・・・」 「もうよい、もうよいのだ・・・・やっと、やっと、そなたは本当に戻ってきたのだな。 ・・・・王子とともに・・・!!!」 そう・・・やっとこの朝、本当の意味で王妃が帰還したのだ。 王子を抱いて、輝くばかりに微笑んで、長い、長い、闇を抜けて・・・・・ 〜〜〜FIN〜〜〜.

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王家の紋章,最近の内容教えて下さい もう何年か読んでないので...

王家の紋章 キャロル 出産

私は、秋田文庫の方で読んでいるので、現在のはまだ分かりませんが。。。 一応、キャロルは、子供を身ごもるんですが、アイシスに死海へ突き落とされて おなかの子供を死なせてしまいます。 かなり悲しみにくれて、体調も優れず、主に寝室に引きこもるキャロルですが、 メンフィスが元気付けようとエジプト内を旅行するというか、そんな感じになって、 また愛を育み、帰ってくるのですが、帰ってくると、ミノアという国から使者が来ていて、 ミノアの国の王子が病気でやばいから、ナイルの女神様きてください、みたいに頼みます。 でも、メンフィスはそれを許さず・・・ でも結局行くことになり、やはりあのキャロルですから、わくわくして向かうわけです。 そして、案の定、そこの国の皇后から気に入られ、是非、病気がちの王子(ミノス)に付き添い この国の姫となってもらいたいと、たくらみ始めるんです。 そんな事とはつゆ知らず、キャロルは、ミノスをつきっきりで看病し、見事回復させます。 看病されている間、キャロルの優しさを一心に感じていたミノス。 当然、恋に落ちます。 そして、母(皇后)の後押しもあって、まんまと妃にさせられかけるんですが、 アトラスという海神が出てきて、キャロルを奪います。 実はアトラス、ミノスの実の兄に当たる人で、その人間らしからぬ見た目から、海の奥深くに 隠され、なき存在として扱われていた人でした。 アトラスは、一度前にキャロルと接触していて(キャロルはアトラスの姿を見ていない)、 一目ぼれしてしまい、それから忘れられずにいたのですが 母が実の弟の妃にしようとたくらんでることを知り、怒ってキャロルを奪ったのでした。 キャロルは、びっくりして怖がりますが、アトラスからプロポーズをうけ、アトラスの苦悩にふれます。 でも、実際キャロルはメンフィスの妻なので、 「私はメンフィスの妻だから話は断る」 と話すのですが、それをアトラスはききません。。。 一方メンフィスは、キャロルの帰りが遅すぎて、イライラしまくっています。 その隙に、メンフィスに近づく女が出てきたり・・・ みたいな所までしか覚えていません; なんかあやふやですが、こんな感じだったと・・・! イズミル王子は、全然出てきてないような。。。 あんま記憶にない^^; 雑ですみません;.

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