サイレント 肺炎。 新型コロナ、気づかぬうちに重症化する「サイレント低酸素症」

院内感染防止,「サイレント肺炎」,第2波、第3波に備え「コロナ専門病院」 : 弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

サイレント 肺炎

投稿日 2020年3月16日 15:52:34 (医療総合) 新型コロナウイルスの感染者で、自覚症状がないにもかかわらず、画像検査で肺炎が見つかる例が相次いでいる。 こうした症例を「沈黙の肺炎(サイレント・ニューモニア)」と呼ぶ医師もおり、「いきなり重症化するリスクもある」として、慎重に診断するよう訴えている。 大阪はびきの医療センター(大阪府羽曳野市)はこれまでに、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客3人を含む計9人の感染者を受け入れた。 このうち、発熱やせきなどの症状を訴えていたのは2人だけだった。 ところが、コンピューター断層撮影法(CT)の画像からは、9人とも肺に肺炎特有の影が見つかった。 橋本章司・臨床研究センター長は、「画像を見て驚いた。 無症状と言っていた人たちも肺炎になっていた」と語る。 厚生労働省は新型コロナウイルスについての相談・受診の目安に「37・5度の発熱が4日以上続いた場合」などを挙げているが、同センターが受け入れた感染者9人の中には、発熱が4日以上続く人はいなかったという。 神奈川県や千葉県などの病院でも、CTで初めて肺炎とわかる症例が出ている。 神奈川県の医師は、「元気に歩き回っていた感染者のCT画像を見たら、肺炎の影があっ.

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不顕性誤嚥はなぜ怖い?不顕性誤嚥の原因・症状・検査・リハビリまで

サイレント 肺炎

新型コロナウイルスについての話題でほぼ占められている昨今、メディアには様々な情報が伝えられています。 特に最近は、世間がよく知っている有名人の方が罹患したというニュースが次々と取り上げられるようになっており、その症状について皆さんの関心が寄せられているようです。 私の外来でも肺炎についてお聞きになる方が非常に多くいらっしゃいますので、本日は現時点(3月29日)でわかっている新型コロナウイルスの肺炎について、わかっている範囲でお話しします(実際私はまだ新型コロナウイルス肺炎と確定した患者を診察しておらず、あくまで今日お話しする内容は論文で報告されている内容と私の知識、それと私が今まで経験した事例を織り交ぜてお話ししようと思います)。 肺というのは、気管、気管支につながる 「肺胞」と呼ばれる袋が3億個ほど集まってできている臓器です。 そしてその袋と袋のすきまには、 血管やリンパ管、それらを支える組織である「間質」という領域があります。 肺では通常呼吸をすることで、空気中の酸素が気管、気管支を通じて袋である「肺胞」に入ってきます。 この酸素が「間質」の中にある血管から吸収されることで取り込まれ、心臓に集まったのちに全身に運ばれます。 通常「肺炎」と呼ばれるもので多いのは「細菌性」肺炎です。 これらは、鼻や口から気管支に細菌が入り込み、袋である「肺胞」まで到達して悪さをします。 体の中の白血球はこれらの細菌を退治しようと戦い、その結果浸出液という液体が出てきて、袋の中が水浸しになってしまいます。 例えるならば、お互いがカラダを張って直接戦っている「合戦」のようなものです。 すると空気を吸っても 肺胞の液体に邪魔されてしまい、血管内に酸素が入らなくなることで息苦しくなります。 また肺胞の液体は痰として現れます。 一方、 「ウイルス性」肺炎は、上記のような直接的に戦うことによって起こる反応(合戦タイプ)もあるのですが、それだけではなく、 これらを排除しようとして自分のカラダの免疫が暴走することによって起きる炎症も大きく影響するとされています(ちょっと正確かどうかはわかりませんが、言うならば デマや恐怖などを与えることで、相手の社会を混乱に陥れる「情報戦」に近いのかもしれません)。 これを サイトカインストームと呼び、これらは 「間質」そのものや、間質にある「血管」に炎症を起こし傷つけてしまいます。 新型コロナウイルス肺炎に関しても、調べたところ死亡した方の血管、間質からはウイルスが検出されなかったという報告が出されており、これも このウイルスの肺炎が、ウイルスによる肺の直接的な傷害よりもサイトカインストームが要素として大きいだろうということを示しています(Ann Intern Med. 2020. DOI: 10. すると袋である 肺胞は傷ついて固くなった間質に邪魔されて膨らみにくくなり、 空気が入りづらくなります。 加えて肺に届いた 空気中の酸素も、固くなった間質や血管の壁に阻まれて取り込まれづらくなり、血中の酸素が不足し、呼吸不全の状態になってしまいます(これは「 間質性肺疾患」の状態です)。 細菌性肺炎とCTでの見え方もやや異なるため、CTの画像もこのウイルスによる肺炎と診断できる手掛かりであることが多いようです。 このような肺炎に至ると、治療は非常に難しいであろうと思われます。 理由としては、全身のサイトカインストームが原因なので、 両肺同時に肺炎をきたすケースが多くなる ため(その分正常な肺が少なくなる)、細菌とは違い ウイルスには(インフルエンザやヘルペスなど一部のウイルスを除いて) 直接退治する薬がなく、これらを退治するには体の免疫反応に頼るしかない ため、それに一般的にウイルス性肺炎では、 これらで弱った肺にさらに細菌がついてしまうことが少なくなく、こうなると本当に厳しくなるためです(そのような意味でも、 ご高齢の方に今一番できる対策は、肺炎球菌ワクチンの接種なのかもしれません)。 治療には酸素投与、人工呼吸器、人工心肺(ECMO)なども用いられますが、これらはウイルスを排除するためのものではなく、 免疫によってウイルスを排除できるまでの時間稼ぎのためのものです。 これらの時間稼ぎの結果、免疫によってウイルスが排除されてサイトカインストームが収まれば症状は改善しますが、どこまでもサイトカインストームが進んでしまうと死に至ってしまうというわけです。 高齢者や持病を持っている方が重症化しやすい理由はまだ明らかではないですが、持病があり免疫が弱っていると正しい反応が出来なくなり、サイトカインストームが起こりやすくなってしまうのかもしれません。 また無症状の方のCTでも間質の炎症像が見られることが少なくないとされており、 肺炎の起こしやすさという点では通常のウイルスにはない脅威を持っていると言わざるを得ないでしょう。 現在行われている試みは、さまざまな抗ウイルス薬(ウイルスの遺伝子に働きかけて増殖を抑制するなどをする薬剤)や、他の用途で使用していた薬が転用できないかどうかの試み(吸入薬であるシクレソニドなど)と、このウイルスに対応する免疫をつけるワクチンの開発という試みになります(いくつも治験はすすんでいますが、実用化は少なくとも数ヶ月はかかりそうです)。 とにかくこれらが開発されるまで、 社会がしっかりと時間稼ぎをするということが大事になるでしょう。 ですので、改めてのお願いです。 医療機関に受診される際は必ず マスクをつけ、手指の衛生をお願いします(当院にもアルコールがありますので遠慮なくご使用ください)。 診察室でもマスクは外さなくて結構です。 また少しでも新型コロナウイルス感染症が否定できない要素をお持ちの方は(現在の基準は)、必ず 保健所への一報をよろしくお願い致します (当院に直接ご来院いただいてもご連絡をお願いすることもございますのでご了承下さい)。 皆さん一人一人と我々の意識が大事になってくる局面です。 何卒ご協力の程よろしくお願い致します。 投稿者: 加藤医院 院長 浅井偉信.

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急激な症状悪化「サイレント肺炎」から身を守るにはなにが必要か パルスオキシメーターの量産を急げ

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コロナウイルスは、米ジョージワシントン大学病院で死亡した59歳の男性の肺に広範囲の損傷(黄色の部分)をもたらした。 画像はCTスキャンに基づく3Dモデル。 (PHOTOGRAPH COURTESY GEORGE WASHINGTON HOSPITAL AND SURGICAL THEATER) 患者の家を訪れたノルウェーの医師マリ・セイム氏は当惑していた。 その60代男性の体調が変化したのは1週間以上前のこと。 インフルエンザのような症状を示し、呼吸数が上昇しているという。 セイム氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を強く疑いながら男性の家に向かったが、そこで目にしたのは予想外の光景だった。 「その男性は椅子に腰掛けて、ほほ笑んでいたんです」とセイム氏は言う。 「少しも具合が悪そうには見えませんでした」 それでも男性の呼吸は速く、通常の3倍ほどのスピードだった。 唇と指がかすかに青白くなっていた。 男性がどれほど深刻な状態にあるかをセイム氏が本当に理解したのは、血液中の酸素飽和度を測定したときだった。 正常だと90%を大きく超えるはずが、セイム氏が確認した数値は66%だった。 一瞬、セイム氏は装置が故障しているのではないかと考えた。 もう一度確認したがやはり66%で、セイム氏はすぐに救急車を呼んだ。 この男性が示していた症状は「無症候性(サイレント)低酸素症」。 COVID-19の患者に広く見られるものの、初期には見落とされていた特徴である。 ほかの呼吸器疾患とは異なり、COVID-19は初期段階でさほど息切れを起こすことなく、ゆっくりと体内から酸素を奪ってゆく。 患者が呼吸困難や胸部の圧迫感を感じるころには、すでに重篤な状態になっていることもある。 (参考記事: ) 無症候性低酸素症に驚かされる医師は少なくない。 患者の中には、錯乱していてもおかしくないほど酸素が欠乏している者もいるのに、彼らは意識をはっきりと保ち、落ち着いて質問に受け答えをし、携帯電話も使える。 科学者たちは、なぜCOVID-19がこのような症状を引き起こすのか、どのように体を蝕むのかを理解しようとしている。 息切れが起きない理由 息切れ(呼吸困難)は多くの場合、肺組織の弾力性の低下と並行して起こる。 呼吸器疾患の多くでは、炎症などによって肺が硬化するが、それは体内の二酸化炭素の排出能力にも影響を与える。 体内の二酸化炭素濃度が高まると、通常はそれがトリガーとなって呼吸の衝動が引き起こされる。 二酸化炭素濃度の上昇によって脳に発せられる緊急警報が、つまりは息切れの正体だ。 COVID-19の患者の場合、病気の発症時には、どうやらこうしたトリガーが働いていないようだと、米ペンシルベニア大学で肺疾患および救命救急を担当する医師キャメロン・バストン氏は言う。 通常であれば警報のトリガーとなるはずの二酸化炭素の増加が起こらないまま、酸素がひっそりと危険なレベルまで低下するというのだ。 「肺に問題がある場合、ほぼすべての臨床例において、酸素の吸収と二酸化炭素の排出の両方の問題を含んでいます」と、米国ニューヨークのベルビュー病院でCOVID-19の肺炎治療に10日間、ボランティアで協力した救急医のリチャード・レビタン氏は言う。 「ただしこの病気は例外です」 無症候性低酸素症は、以前から高山の登山者やパイロットの間で見られた。 高度が上がると気圧が下がり、呼吸に利用できる酸素は少なくなるが、呼吸が速くなることで、二酸化炭素の排出は継続して行われる。 高度障害とCOVID-19では、原因も治療法も大きく異なると、レビタン氏は強調する。 ただし、酸素の減少に対する体の反応のひとつとして呼吸が速くなるという点はよく似ている。

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