本 好き の 下剋上 フェルディナンド。 【本好きの下剋上】フェルディナンドは結婚する?年齢やローゼマインとの関係について

本好きの下剋上の最後の結末をネタバレ!最終回とその後はどうなる?

本 好き の 下剋上 フェルディナンド

「フェルディナンド様!」 稼働している魔法陣に魔力を吸われ続けて衰弱しているようで、伏せた状態のフェルディナンドが見える。 魔法陣の上から退けて魔力供給を終わらせなければならない。 わたしは駆け寄って薬箱を置くと、身体強化をしてフェルディナンドの体をうつ伏せから仰向けにひっくり返し、脇の部分に手を入れてずるずると引っ張って魔法陣のない壁際へ移動させる。 「これは成長してて助かったかも……。 子供の体格じゃいくら身体強化をしても限度があるよ」 育成の神 アーンヴァックスに感謝して、「もうちょっと大きくなりますように」とお願いしてから呼吸の確認を行った。 呼吸はひとまず普通に行われているようなので、横向きに寝かせる回復体位をとらせてから薬箱を手に取る。 「えーと、意識がない場合は最初にユレーヴェを……」 ユストクスに説明された通り、意識のない者に飲ませるための吸い口のような器具を使ってユレーヴェを流し込んでいく。 わたしが二年間浸かって魔力の塊を解かしていたことからもわかるように、即死で魔石化させるような毒を食らっているならば、最も効果的なのはユレーヴェである。 自分は何度も意識がない時に薬を飲まされたことがあるけれど、他人にするのは初めてだ。 緊張しながら口の中にユレーヴェを流し込む。 ……塊ができてすぐなら解けやすいはず。 頑張れ、ユレーヴェ。 そんなことを考えながらフリュートレーネとルングシュメールの癒しを重ねてかける。 少しは毒状態の緩和や回復に役立てばよいと願って。 「次は解毒薬だね」 自分がフェルディナンドにされたことがあるのと同じように口の中へ解毒薬を含ませた布を突っ込んだ。 舌の麻痺が少しでも緩和されれば、呼吸が楽になり、薬が飲みやすくなるらしい。 ……あ。 ちょっとだけ口元が動いたんじゃない? じっと観察していると、微妙な動きが見えた。 一度布を引っこ抜き、もう一度解毒薬を含ませて口に突っ込んで様子を見る。 口元が微妙に動き、呼吸が少し浅くなっている気がした。 もう一度布を引き抜くと、今度はスポイトのような物で激マズ回復薬を少しずつ口の中に垂らすようにして流し込んでいく。 起きた時に口の中がひどい味でいっぱいになるけれど、これで魔力と体力の両方をぐぐんと回復させることができるのだ。 これでよし、と思った直後、フェルディナンドが激しく咽せ始めた。 ……な、なんで!? なんか失敗した!? 起きたら口の中がものすごくまずい味だったことは、わたしも今まで何度も経験があるけれど、意識がない時に飲まされて咽てのたうったことはない。 わたしのやり方がまずかったようだ。 「ごごごご、ごめんなさいっ! こんなはずではっ!」 苦しそうに咳き込むフェルディナンドの様子を覗き込むようにして背中をさすっていると、突然腕をつかまれた。 「へ?」 意識が戻ったのか、と思う余裕もないくらいの速さで腕を引かれ、くるりと位置が逆転する。 何が起こったのかわからなくて瞬きをしているうちに、今まで意識がなかったはずのフェルディナンドに押し倒されて、両方の手首をつかまれて、体重をかけてのしかかられていた。 フェルディナンドの両手首を繋ぐ手枷の鎖が首元に食い込んでくる。 「誰だ?」 苦しそうな呼吸の合間に発せられた警戒心たっぷりの声と理解できない者を見るように険しく細められた眼差しからフェルディナンドがわたしをローゼマインだと認識できていないことがわかった。 鎖で息苦しく感じる中、わたしは「ローゼマインです!」と叫ぶように必死に名乗る。 ……突然大きくなったけど、わかって! ついでに、ちょっと手に力を入れるの止めて! 鎖が当たって痛いから! 「……ローゼ、マイン?」 しばらくの間沈黙して、間近でじっとわたしを見下ろしていたフェルディナンドがジャラリと鎖の音を響かせ、片手を少しだけ持ち上げた。 「……あり得ぬ。 ローゼマインはこのくらいの大きさだ」 「あり得ぬってどういうことですか!? そんなぬいぐるみみたいな大きさだったこと、出会ってから今まで一度も……げふぅっ!?」 異議ありと力いっぱい食ってかかったら、ピンと張られた鎖に自ら突っ込む結果になった。 ちょっと勢いが良すぎたようで、死にそうなくらいに苦しい。 ゲホゴホと咳き込んでいると、フェルディナンドがゆっくりと体を起こして、どさりと横に倒れるようにしてわたしの上から退いた。 先程の機敏な動きは完全に虚勢だったようで、ぐったりと体を横たえた状態になり、じとっとした目でわたしを見る。 「……君は本当に馬鹿ではないか?」 「うぅっ……。 さすがに今はちょっとだけそう思っています。 ちゃんと自覚はあるので、そんなにしみじみとした口調で言わないでくださいませ」 回復して最初の会話がこれだなんてあんまりだ。 もうちょっとこう、感動的な感謝の言葉とか、頑張ったわたしに対する褒め言葉とか、久し振りの再会に相応しい言葉があると思う。 「ちょっとだけではないが……。 なるほど。 確かに君はローゼマインで間違いないようだ。 私に鎖で首を絞められている状態で、そんなに呑気で馬鹿な反応をするのは君くらいしか知らぬ」 わたしは「わかってくださって嬉しいです」と言いながらのっそりと起き上がった。 これだけ意識があるならば自分で薬を飲めるだろう、と薬箱に向かう。 「どんな薬が要りますか? ん? ちょっと待ってください。 ……えぇ!? 手枷していたから鎖が引っかかったのではなく、首を絞められていたのですか!?」 わたしが薬箱に手をかけた状態で振り返ると、フェルディナンドが本当に嫌そうな顔になった。 「……まさか本気で気付いていなかったのか?」 「いえ、わたくしだってフェルディナンド様に警戒されてることはわかりましたよ。 成長しちゃったからわからないかな? とは思いましたけれど、少なくともユレーヴェや解毒薬などを与えていたのに、敵認定をされるとは思いませんでした」 わたしが「いくら何でもひどいですよ」と頬を膨らませると、「ひどいのは君だ」と面倒くさそうに言い返された。 「どこの誰とは敢えて言わぬが、勝手に人の名を奪った挙句に手段を選ばずに生きろと命じた馬鹿者がいるからな。 瀕死状態ならば尚更敵を排除せねばならぬと体が半ば勝手に動いたようだ」 「えぇ? 生きるために手段を選ぶなって命じられた瀕死の人の行動が敵の排除っておかしいでしょう? お薬を飲んでいる途中だったのですから、最後まで飲むのが正しい行動だと思います」 わたしがそう言うと、フェルディナンドは少しだけ視線をさまよわせて「毒を与えられたかと思ったのだ」と言った。 ……あぁ、わかる。 わかる。 激マズ回復薬ってマジ毒でもおかしくないくらい殺人的な味だもんね。 だがしかし、激マズ回復薬を飲まされて毒と誤認したならば、悪いのはわたしではなく作った人ではないだろうか。 「つまり、完全にフェルディナンド様の自業自得じゃないですか!」 「それを言うならば、命令解除もせずに、止めろとも命じなかったのだから、首を絞められて殺されかけたのは君の自業自得としか言えぬ。 ……ハァ。 このような問答はどうでも良いからさっさと薬を渡しなさい」 「誤魔化しましたね?」 「誤魔化してなどいない。 今君がすべきことを述べているにすぎぬ」 ……意識が戻った途端にこれだよ!! 「まだ体が自由に動かぬ。 まずは解毒薬だ。 薬を飲ませ終わったら、次はこの手枷を何とかしなさい。 シュタープが使えぬのは不便で仕方がない」 ぐてっと力なく横になった状態でフェルディナンドが次々と指示を出す。 今はわたしがフェルディナンドの名を奪っていて主のはずなのに、と唇を尖らせながら言われるままに薬を準備して、様子を見ながら少しずつ飲ませていく。 「フェルディナンド様は全然動けないくせに、口だけはいつも通りにふてぶてしいですよね」 「口だけ動くのは君が解毒薬を含ませたからではないか。 ……それから、私に文句を言っているつもりならば、少しはその緩んだ顔を何とかしてからにしなさい。 文句を言っているのか、喜んでいるのかわからぬ顔になっているぞ」 フェルディナンドに指摘された顔を押さえてみたら、確かにすごくにやけた顔になっているのが自分でもわかった。 ペチペチと叩いて引き締めようと努力してみるが、全然直りそうにない。 「憎まれ口を叩けるくらいまでフェルディナンド様が回復してよかったと思っているから、顔を何とかするのは無理そうです」 感情に任せてへらっと笑うと、フェルディナンドが何度か瞬きをした後、目を閉じて口をへの字にした。 「……まったく、君は」 「あ、もしかして照れました?」 「照れてなどいない」 ツンツンと頬を突くと、フェルディナンドの腕が途中まで上がったところで止まり、最後まで上がらずに下ろされた。 仕方がなさそうに息を吐いたフェルディナンドがじろりとわたしを睨む。 「動けるようになったら覚えていなさい」 「はい。 動けるようになったら、大変結構って褒めながら頭を撫でてもいいですし、何ならぎゅーしてくれてもいいですし、頬をつねってもいいですよ」 フェルディナンドを覗き込みながら、自分の希望と回復した途端にされそうなことを並べてみる。 「……だから、早く動けるようになってください」 ぽたりと涙が落ちた。 緊張が緩んだせいもあると思う。 フェルディナンドと他愛ないやりとりができた安心感もあると思う。 でも、一番大きいのは生きていてくれてよかったという感情だ。 勝手に溢れてくる涙を止めることはできない。 「……泣くな」 そう言ったフェルディナンドの腕が再び上がり、途中で止まってまた下ろされる。 顔をしかめたフェルディナンドが腹立たしそうに拳を握った。 「だいたい、君は私を助けに来る必要はなかった。 ユストクス達にそう伝えるように言ったはずだが、何故ここにいる? どのようにしてここに来たのだ?」 その言葉にぴたりと涙が止まった。 これがわたしを泣き止ませるために言ったならばすごい効果だと思うけれど、フェルディナンドの場合は間違いなく素で言っている。 「フェルディナンド様の記憶力がそれほど悪いとは思っていませんでした。 わたくし、あれほど脅迫したはずなのですけれど……」 「脅迫はされたが、色々と状況は変わったではないか。 ……何を怒っている?」 ……本気でわかってないよ、この人。 「怒りますよ! わたくしはフェルディナンド様が幸せにならなかったら、何を敵に回しても助けに行くと言ったではありませんか! わたくしを呼んだのはフェルディナンド様でしょう?」 「呼んだ覚えはない」 視線を逸らしてそっぽを向こうとするフェルディナンドの顔をガシッとつかんで、わたしは逃げたそうな金の瞳をじっと見据える。 「呼ばれた覚えはあります。 わたくしにフェルディナンド様の状況が見えたのですから。 ルッツが同じようにわたくしの危機的な状況を見た時は、わたくしが死にそうな恐怖に直面してルッツを必死に呼んだ時でした。 ですから、今回フェルディナンド様はわたくしを呼んだのです。 呼ばれなかったら準備不足で時間が足りなくて間に合わなかったのですからね」 「わかった。 わかったから、少し離れなさい。 近すぎる」 フェルディナンドが呼んだことについて話をしている時に「顔が近い」などと頓珍漢なことを言うフェルディナンドに、わたしは近すぎる距離を利用してゴンと頭突きしておく。 グッと痛みに呻いたフェルディナンドが恨めしそうにわたしを睨んだ。 「……来ない方が良い状況を作り出したのは君ではないか」 「はい?」 「こちらの質問には答えることもなく、注意も何も聞かずに暴走してメスティオノーラの書を手に入れ、エアヴェルミーンに私を消すように命じられたであろう?」 フェルディナンドに睨まれて、わたしもフェルディナンドを睨み返す。 「命じられましたけれど、それが何ですか? わたくしはエアヴェルミーン様御本人に断固としてお断りしましたよ」 「待ちなさい。 どちらかが犠牲になってメスティオノーラの書を完成させなければユルゲンシュミットが崩壊するらしいが、断ってどうするつもりだ?」 「え? そんなことを言われても、フェルディナンド様が助からなかったらユルゲンシュミットが助かっても意味がないでしょう?」 何を言っているのか、とわたしが首を傾げると、フェルディナンドは驚愕の顔でわたしを見た。 「何を言っているのだ、君は? それではまるでユルゲンシュミットより私を選ぶように聞こえるぞ。 言葉選びは……」 「大領地、中央、王族、神々……。 何を敵に回しても助けに行くって言いませんでした?」 「……最後の神々は初耳だ」 唖然とした顔でそう言ったフェルディナンドがその場にうつぶせになった。 寝転がって姿勢を変えられたのは楽になってきた証拠だろう。 回復状態を観察しながらわたしはニコリと微笑んだ。 「あら、初耳でしたか? それは失礼しました。 でも、そういうことですから、二人とも無事に済む方法でメスティオノーラの書を完成させる方法を考えましょう」.

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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~

本 好き の 下剋上 フェルディナンド

広間に入ると、夜の色をした髪にヴェールがかけられ、自分が贈った布を纏った楚々としたローゼマインの姿が目に入った。 ほんのりと化粧をされ、柔らかく色づいた唇には笑みが浮かんでいる。 そうして静かに佇んでいる姿は、まさしく聖女とも女神とも言える儚げな美しさがあった。 …口を開けば頭痛の種が増えていくだけなのだがな。 見目は美しく成長したにも関わらず、中身は全く変わらないのでその乖離がますます激しくなっている。 ローゼマインを知らぬ者は、国境門での拳を握ってとっていた変な格好や、羞恥のあまり床の上でのたうっていた姿など誰も想像だに出来ないに違いない。 以前と同じような感覚で、感情が高ぶると抱きついてくるのも頭が痛い。 いくら男女間のことに疎いとは言え、あまりに無防備すぎるだろう。 それと同時に、離れていた間変わらずにいてくれることに安堵してる自分もいることに気づき、不思議な気持ちになる。 アーレンスバッハで約束していた便りがふっつりと途切れ、何故か無性に苛立ちが募っていった時のことが思い出された。 口煩く余計な心配ばかりする、そう思っていたのに。 いざそれがなくなると、自分の中の何処かが穴が空いたようになった。 以前はそれが当たり前だった筈なのに、急にどうやってその空虚をやり過ごしてきたのかが分からなくなったのだ。 いくらローゼマインが便りを送ると言っても、お互い婚約者がいる身だ。 そのような遣り取りが続けられる訳がない。 ましてや他領に出て行った者なのだ。 そんなことは、最初から想定出来て当然の事ではないか。 それなのに、何故これほど鬱々とした気持ちになっていくのかが分からない。 これから先も、ずっとこの空虚を抱えて生きていかねばならぬのか。 それは想像するだけで、息が詰まるような恐ろしいものだった。 実際は自分を助けるためだけに一国を奪ってしまうという、呆れるくらいに想定外を仕出かすローゼマインは全く変わっていなかった訳だが。 私は溜息をのみこむと、社交的な笑みを振りまきながら壇上へと歩いていった。 式が始まり、ローゼマインが誓いの言葉を連ねていく。 …ふむ、ローデリヒがかなり頑張ったようだな。 どうなるかと少々心配していたのだが、内容も婚約式に相応しいようにかなり盛られているものの、問題ないようだ。 それが終わるとローゼマインがゆったりと上品な仕草で魔石が差し出してきた。 当日まで内緒だと隠していたが、果たしてどのような言葉を刻んだのだろうか。 魔石を受けとり、そこにある言葉を見て、周囲の状況が頭から消え去った。 虹色に美しく輝く魔石の中に浮かぶ、金色の文字。 貴方のマントに刺繍をさせて下さい その瞬間、様々なことが頭を過ぎった。 どうしても刺繍は嫌だと主張し、染め布や馬鹿みたいに魔力を使って訳の分からぬインクを作り出していたこと。 刺繍をするぐらいなら本を読みたい、婚約などしたくないとまで言い放ち、周囲を呆れさせていたこと。 …あれほど嫌がっていたではないか。 その刺繍を、自分のためにしたいと言う。 今まで感じたことのない感情が胸にじんわりと広がっていき、虚ろだった何かが満たされていく。 格子の向こうで羨望し、しかしそれを望む価値すら己にはないのだと白い場所で知り、とうの昔に諦めたもの。 銀色に鈍く光る髪飾り、山吹色に翻るマント。 誇らしい気持ちで受けとり、殆どないと言っても過言ではない、自分にとって大切な物が呆気なく奪われていった日々。 ただの魔石として産み落とされた自分には、それも仕方のないことだと分かっているのに、それでも胸の奥底でただひたすら渇望していたもの。 それが今、自分の掌にある。 そのことにどうしようもない感情が溢れ、私はそっと手の内にある幸福を包み込む。 少し視線を移せば得意気に、そして何故か嬉しそうに笑っているローゼマインがいる。 思わず頰をつまんでしまいたくなるのを堪え、ともすれば零れ落ちそうになる感情を抑えるために、私は口元を引き締めた。 図案は私が考案するぞ、と脅してみるも何時ものように怯む様子もなく、ローゼマインは全く意に介さないように微笑んでいる。 「フェルディナンド様」 ユストクスに小声で呼ばれ、私は振り返りユストクスが持つ小箱に魔石をそっと置く。 代わりに自分が作った魔石を手にすると、ローゼマインの方へと向かった。 跪き、神々の名をつらつらと並べてローゼマイン以外と縁を結ぶ気がないことを宣言する。 ローゼマインは先程とは違う貴族的な笑みを浮かべたまま聴いているが、その表情は明らかに真意を理解してない。 これは周囲への牽制でもあるから良いのだが。 ……余裕が出来たら神々の表現についてもう少し学ばせるべきか。 そんなことを考えながら婚約の誓いを述べ終わり、私は魔石をローゼマインに差し出した。 魔石恐怖症のことを気にしつつ、大丈夫かとじっと様子を伺う。 ローゼマインが魔石を手に取り見つめたかと思うと、一瞬で貴族的な取り繕いが剥がれ月のような金色が大きく見開かれた。 透き通るような白い肌がさぁっと朱に染まり、その熱で月が蕩けていくように潤む。 …まったく、このような場で淑女が感情を露わにするのではない。 「フェルディナンド様…。 あの、わたくし…」 言葉が掠れて途切れていく。 何かを伝えようと、言葉を必死に紡ごうとするその声は微かに震えていた。 それが何かは分からない。 けれどその姿に何故か胸を深くつかれ、私は衝動的に立ち上がると癒しを与える代わりに、目元の雫をそっと拭った。 感情が出過ぎだ、と叱ると私のせいだと言って頰を染めたままふくれている。 その時、感情を隠すことに長けているはずの貴族達から悲鳴のような声が上がった。 …この体勢はまずかったか。 思わずとってしまった自分の行為が、周囲からどのように見えるか安易に想像がつき、思わず溜息をついた。 「失敗したな」 不思議そうな顔をしたローゼマインが首を傾げる。 相変わらずこの状況が全く分かっていないようだ。 教えればまた何時ぞやのように動揺するに決まっているので聞くのではない。 背後にいるユストクスからの鬱陶しい気配を感じながら、私はハルトムートに儀式の続行を促した。 その後、私の婚約者は滔々と貴族達に理想の図書館都市構想を語り続け、頭痛の種をせっせと蒔いたのは言うまでもない。

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本 好き の 下剋上 フェルディナンド

最新情報 3月5日(木)の更新情報はこちらです! <情報公開!> 『本好きの下剋上』 第14. 本日より予約が開始しています! 4)鈴華先生「第二部 本のためなら巫女になる!」第1巻表紙イラスト公開! 5)何より、明日3月9日は発売! 本日お伝えした最新情報が 新刊の帯やページ大増量の封入チラシに掲載されていますので ぜひご覧くださいね! (弊社オンラインストアでご予約頂いた方々は明日の到着をお楽しみに!) 最後に! TVアニメ化を記念して、書籍の巻末でお馴染みの おまけ漫画「ゆるっとふわっと日常家族」 (漫画:しいなゆう)の特別版も公開! 第一部刊行時には収録されていなかったので初めての四コマ化が嬉しいですね。 をご覧下さい。 1)ドラマCD第2弾 新キャストも加わった新たな 今回は第一部〜第三部までの下町時代の名場面に、 香月先生が書き下ろしたトゥーリ視点の 新作SS「王族からの依頼品」を加えて音声化。 こちらの小説はドラマCDケース内に特製ペーパーで収録! ドラマCDページでは、香月先生の新しいアフレコレポートも 読めます! 2)第三部「領主の養女」コミカライズ決定! 4月下旬からの連載開始へ向けて、鋭意制作中です。 第三部のコミカライズを担当頂くのは、波野涼先生。 香月先生と何度も打ち合わせを重ねてきました。 緻密な世界観の絵柄に加えて、キャラクターがとっても かわいいんです。 表情豊かなローゼマイン! フェルディナンド様も! 現在、クライマックスを迎えているは、 引き続き、鈴華先生が「第二部」も準備中! 広がる「本好き」コミカライズをどうぞお楽しみに! 最新情報 新年明けましておめでとうございます。 今年も「本好き」をどうぞ宜しくお願いします。 印刷博物館コラボイベントも大盛況のうちに終了致しました。 お越し頂いた方々には本当に感謝です。 大きな混乱もなく、皆様のおかげで初めてのイベントが とても良いものになりました。 また、お越し頂けなかった方のために、 本日よりイベント先行販売された グッズがしました! 新作グッズは下記になります。 1)ふぁんぶっく1 2)ふぁんぶっく2 3)4-1表紙 4)3-4表紙 5)3-4カラー口絵 また、イベントと同様に、対象商品を3,000円(税抜)以上 お買い上げ頂いた方には 椎名先生の描き下ろしイラストを使用した クリスマス・カードをプレゼント! こちらは1会計につき1枚の配布になりますのでご了承ください。 (例えば、1会計で6,000円以上のお買い上げがあっても配布されるクリスマス・カードは1枚です)。 本日から2月12日までの期間限定になりますので、 ご注意ください。 どうぞ宜しくお願います。 最新情報 特設ブログへのご来訪ありがとうございます。 印刷博物館・灰色担当A です。 Twitterでもお知らせをさせていただいておりますが、 当館の年末年始の休館予定について、 改めてこの場を借りてお知らせさせていただきます。 今年も残りわずかとなりましたが、 みなさまにおかれましては、 風邪など召されませぬよう充分ご自愛ください。 残り少ない本年、良い時を過ごされますよう お祈り申し上げます。 引き続き、印刷博物館を宜しくお願い申し上げます。 最新情報 特設ブログへのご来訪ありがとうございます。 印刷博物館・担当A です。 日々、SNSなどでみなさまの声を聞き、 今回のコラボを大変楽しんでいただけている様子を見て、 みなさまの作品への大きな愛を感じております。 このコラボを開催してよかったと、実感しております。 改めてみなさまに感謝申し上げます。 さて、TOブックス様のTwitterアカウントで告知がありました通り、 20日(水)よりミュージアムショップにて、 ・本好きの下剋上ふぁんぶっく2 ・本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 「第 四部 貴族院の自称図書委員1」 の2点の商品が追加されました。 つきましては、前回と同様、 20日からの商品一覧と購入シートにつきましても、 こちらのブログの方にアップさせていただきます。 なお、前回同様にミュージアムショップで使用します、 商品購入シートにつきましてもアップ合わせてさせていただきますので、 今後ご来館を予定されておりますみなさまの事前チェックのため、 ご活用いただけますと幸いです。 今後とも印刷博物館を宜しくお願い申し上げます。 最新情報 特設ブログへのご来訪ありがとうございます。 印刷博物館・担当A です。 本コラボ企画の開催により、 多くのファンの皆様にご来館頂けておりますこと、 スタッフ一同、大変感謝いたしております。 スタッフを代表して、ここに御礼申し上げます。 誠にありがとうございます。 さて、今回こちらに書かせていただきますのは、 初日より皆様からお問い合わせの多かった、 ミュージアムショップの「商品一覧を持ち帰りたい」というご要望についてです。 ショップにて使用しております商品一覧のシートについては、 大変恐縮ながら、お会計時に返却をお願いしておりますが、 皆様から要望が多数ありましたため、 こちらの特設ブログに「商品一覧画像」をアップさせていただきます。 また、同様にミュージアムショップで使用しております、 商品購入シートにつきましても同様にアップさせていただきますので、 事前チェックのためにご活用いただけますと幸いです。 今後とも印刷博物館を宜しくお願い申し上げます。 最新情報 【開館時間について】 ・印刷博物館の開館時間は10:00〜18:00(入場は17:30まで)となります。 毎週月曜は休館日となります。 (ただし2018年1月8日は開館、翌9日(火)が休館日となります。 ) 年末年始の休館予定は、12月29日(金)〜1月3日(水)となります。 ・博物館開館前のご来場の方が多数だった場合、列の形成をさせていただきます。 ・近隣は住宅街のため、早朝からのご来場や待機は周辺のご迷惑となりますため、ご遠慮いただけますようお願いいたします。 なお、印刷博物館は凸版印刷のビルの地下にありますため、ビル警備の都合上9:00以降のご来場ください。 【ショップ販売について】 ・ミュージアムショップでのアイテム販売方法は、購入シート式とさせていただきます。 ・ショップではクレジットカード決済の対応しておりますが、ご利用できるカード会社については会計時にご確認ください。 (30分まで無料。 以後30分おきに200円。 駐車券をミュージアムショップまでお持ちください。 ご来場にはなるべく公共交通機関をご利用ください。 最新情報 いよいよ明日、 が始まります! 準備に約半年。 長かった・・・ 改めて、ポイントをおさらいしておきましょう! <ポイント1> 香月先生監修&書き下ろし 「印刷博物館・グーテンベルクツアーMAP」 入館者全員に無料配布! 三つ折りで持ち運びに便利なサイズ。 オールカラーで文字がぎっしりです。 館内の展示物をマイン、ルッツ、ベンノが解説してくれています。 こちらは、 有料展示ゾーンへの入館料支払い時に、1人1枚の配布 になります。 入館当日に限り、退出後の再入館も可能ですが、「MAP」の受け取りは 1人1枚になることをご了承ください。 <ポイント2> ミュージアムショップに 「ローゼマイン工房・直売店」開店! 「本好き」関連書籍やグッズを全部集めました。 オンライン限定アイテムは 実際に見て触るチャンスです。 注目は先週もお伝えしたイベント先行発売グッズ! 配布される館内MAPの裏面でも紹介されてますので、ご覧ください。 今週の新紹介グッズ、まずは レターセット【1,500円(税抜)】 こちらには、便箋(A5サイズ)10枚/封筒5枚 /ローゼマイン工房紋章シール(5枚)を封入。 香月先生と何度もやり取りを重ねて、紙の素材やデザインにこだわりました。 ファンレターや大切なお友達へのお手紙にぴったりな、 シンプルで風合い豊かな作りになっています。 これで印刷博物館で先行発売されるグッズが全て揃いました。 もう一度、各グッズをまとめますね。 (例えば、1会計で6,000円以上のお買い上げがあっても配布されるクリスマス・カードは1枚です)。 さらに! 本日の目玉は、イベント中にショップにて見本が陳列される ブックカバー! 超豪華仕様の本革製と塩ビ製の見本がようやく到着! それぞれ、本日よりTOブックスのオンラインストアにて 予約が開始してますので、 詳細はそちらをご覧ください! も発売! なお、こちらの新刊2冊について、印刷博物館での販売は 現状で未定となっております。 ご了承ください。 そして、イベントで先行発売されるグッズも完成見本が続々到着です! まずは、 メタルブックマーク!【1,000円(税抜)】 ローゼマイン工房紋章が中央で輝いてますねー。 香月先生に何案も練って頂いたデザインはシンプルで使いやすそう。 ゴールド色が豪華ですね。 続いて コミックス「本好きの下剋上」スタンド付き アクリルキーホルダー!【各1,000円(税抜)】 鈴華先生の描き下ろしイラストを使用した、ちびキャラ計5種類! キーホルダーとしても使えるし、スタンドを付ければ、机などに並べられちゃいます。 なお、イベント中にミュージアムショップで、 『本好き』関連グッズを3,000円(税抜)以上お買い上げ頂いた方には 椎名先生の描き下ろしイラストを使用した クリスマス・カードをプレゼント! こちらは 1会計につき1枚の配布になりますのでご了承ください。 (例えば、1会計で6,000円以上のお買い上げがあっても配布されるクリスマス・カードは1枚です)。 裏面も可愛いデザインですので、お楽しみに! 最後に、入館者全員に無料配布される、 香月先生監修&書き下ろし 「印刷博物館・グーテンベルクツアーMAP」ですが、 有料展示ゾーンへの入館料支払い時に、1人1枚の配布 になります。 入館当日に限り、退出後の再入館も可能ですが、「MAP」の受け取りは 1人1枚になることをご了承ください。 来週は も発売されますし、 12月の『本好き』は怒涛の勢いで駆け抜けます! 最新情報 本日の「本好き」公式HP更新に合わせて、 最新情報ページを立ち上げ! 今後こちらで、では 伝えきれない情報をお伝えしていきます! と言いながら、まずは「このライトノベルがすごい!2018」(宝島社刊)の、単行本・ノベルス部門 第1位を本当にありがとうございます! 12月9日発売の新刊「第四部 貴族院の自称図書委員1」帯でも 大きく告知させて頂きました。 新章の幕開けを華々しく飾れて嬉しい限りです。 11月25日発売の「このライトノベルがすごい!2018」には 香月先生のロングインタビューも収録されていますので、 ぜひご覧くださいね。 現在、TOブックス・オンラインストアと応援書店様にて の予約を受付中です! 応援書店が増えています。 ぜひこちらのからご確認ください。 また、すでに告知済みのも 12月9日からの開催に向けて準備が佳境です。 特に遠方にお住いで、お越し頂けない方に どうにか見られる機会を作って欲しいという点です。 印刷博物館様と協議した結果、先方様のご厚意により 今後発売予定の「ふぁんぶっく」等に 再掲載できることになりました! 印刷博物館様、「本好き」愛に溢れてるっ! ありがとうございます! いつになるかはまだ決まってませんが、必ず公開しますので お越し頂けない方は楽しみにお待ちください。 (まだ、「」発売前ですし・・・) さらに、イベント開催中、ミュージアムショップに開店の 「ローゼマイン工房・直売店」で配布される 椎名優先生描き下ろしの「クリスマス・カード」についてです。 こちらも多数のご意見をありがとうございます。 クリスマス・カードは直売店で 本好き関連グッズ3,000円(税抜)以上をお買い上げの皆様に配布されるのですが、 こちらもイベント終了後、TOブックス・オンラインストアにて 同じ条件、期間&枚数限定で配布予定です! 詳しくは準備が整い次第、改めてお知らせしますので お待ちください。 太っ腹だね、印刷博物館さま! ・・・ふぅ、今日は以上でしょうか。 長くてすみません。 まだまだ、年末にかけて更新情報が続くので 随時更新していきますね! (怒涛の勢いなので不定期になりそうです・・・).

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